宝塚歌劇団月組の新トップコンビ月城かなと・海乃美月の大劇場お披露目公演が、1月1日にスタート。2022年の宝塚大劇場の幕開きを華々しく飾る。
演目は、2018年公開の大ヒット映画を舞台化したロマンチックなミュージカル『今夜、ロマンス劇場で』と、第2幕では、ジャズをテーマにしたショー『FULL SWING!』を上演する。
本拠地・宝塚大劇場でのお披露目公演に向けて、トップスター・月城かなとに心境を聞いた。
大ヒット映画を舞台化、未来へのエネルギーを感じる作品に
2009年に宝塚歌劇団に入団。雪組での約8年間では、新人公演の主演を3度務めるなど、早くから注目を集めてきた月城。2017年の月組への組替えは、自身にとって「すごく転機だった」と話す。
「誰も自分のことを知らない環境に飛び込む機会があまりない中で、雪組で培ったことを持って、またなりたい自分を作ることができる環境に飛び込ませていただけたことはすごくありがたかったです」
そしてさらなる経験を積み、珠城りょうからトップスターのバトンを受け取った。
「5年ほど月組で過ごしていく中で、作品ごとに自分の立場に対しての責任を感じてきたつもりではありました。でもやはり、次の主演でと言われたときはとても緊張しましたし、驚きとともに、今までに感じたことのないような責任感を感じた瞬間でした」
そう語る月城だが、一方で「何かを気負って変えたりする必要はないと感じている」とも話す。
「ありがたいことに、組の皆さんもいつもと変わらず接してくださいますし、作品に対する姿勢も変わらずにいてくださるので、そこは私も甘えて、これまで通りみんなで一緒に苦しみながら作っていきたい。そういう環境でお稽古をできていることがありがたいなと思います」
今回、月城が『今夜、ロマンス劇場で』で扮するのは、映画監督を目指し、助監督として働く牧野健司。足繁く通う映画館「ロマンス劇場」で、突然モノクロ映画の世界から飛び出してきた映画のヒロイン・美雪と奇跡的な出会いを果たすという、ロマンチックで切ないラブストーリーだ。
「話の内容としてはシンプルで、とても宝塚らしさのある作品だと感じます。登場人物がすごく前向きで、健司自身も何かを乗り越えてでも進んでいこうというエネルギーのある人。この舞台版では、映画のイメージはそのままに、そこに宝塚らしさがプラスされています。
今この状況下でこの作品を上演する意味や、月組が新しくスタートしていくときにこの作品をやる意味、作品の内容とともに未来へのエネルギーも感じていただけるのではと思いますので、等身大で演じたいです」