豊富な舞台経験を持つ宝塚歌劇団卒業生の活動を後押しし、オリジナル公演の企画制作に取り組んでいるタカラヅカ・ライブ・ネクスト。初のコラボ企画となる『2STEP』は、BTSやSixTONESなど多くの著名アーティストへの振付やMV出演で活躍する「GANMI」と、宝塚歌劇OGとの共演が話題だ。
5月26日(金)の初日を前に、ピンと張り詰めた空気とりラックスした笑い声とが響く稽古場で、宇月颯と綾凰華、飛龍つかさに心境を聞いた。
“ダンスの違い”が面白くて
――まずは、GANMIさんと過ごされているお稽古場の様子はいかがですか。
宇月 私は退団してから5年経っているので、男性ダンサーさんとの共演も少なくないのですが、今回は予想以上の“ダンスの違い”に驚いています。タカラヅカやミュージカルの楽曲と、GANMIさんたちが普段踊っている音楽とは異なることは知っていたものの、音への向き合い方やどう表現するかのプロセスがこんなにも違うんだな、と面白くて。
綾 すごく貴重な経験ですよね。私はタカラヅカを卒業してちょうど1年なんですが、これまで何作か出させていただく中で、外部の公演って本当に“一期一会”なんだなと実感していて。国内外で活躍されているGANMIさんとご一緒できる機会なんてまさに一生に一度かもしれないので、この時間を大切にと思って過ごしています。
飛龍 私は昨年の9月に宝塚を退団して、卒業後の舞台自体が2作目。俳優としてはもちろん、自分らしいダンスというのも模索中なので、毎日が新鮮です。お稽古場では『右を見ても左を見てもすごい方たちばかりだ!』と思いながら、GANMIさんのことを隙あらば見て観察しています(笑)。
――観る側を惹きつけるエモーショナルなダンスに定評がある3人。GANMIさんも観客をグッと引き込む表現力が人気で、ジャンルの違いはあれど、そこまで“違い”を感じられていることが意外でした。
綾 GANMIさんって、ダンス自体にメンバーの方たちの人生がにじみ出ているところが本当に魅力的なんです。私も最近、改めてダンスってすごくいいものだなと感じていて、心が動くから踊る、楽しいから踊るっていう感覚をお客様とも共有したいと思うようになっているので、GANMIさんならではの表現をどんどん取り入れていきたいです。
飛龍 同じダンスといっても、本当にいろいろな表現があるんだなって感じるよね。中でもGANMIさんはメンバー11人のダンスがピタリと揃うと同時に、それぞれが個性的。もちろん、タカラヅカの男役のダンスも独自に発展してきた魅力があると思うので、どのジャンルにも属さない両者が同じ稽古場にいるというのは、ある意味、奇跡といえるのでは? なんて思っています(笑)。
宇月 今回の振付はGANMIさんで、構成・演出もGANMIのSotaさん。あやなちゃん(綾)が言っていた通り、人生を表すものとして踊ってきたGANMIさんの感性は、すぐに私たちが取り入れられるほど簡単なものではないと思うのですが、こういう表情で踊るんだとか、ちょっとしたポイントをぜひ吸収させてもらえればと。
同時に、両者である程度は違いがあるほうが面白いと思うので、そのさじ加減は考えつつ、コラボレーションならではの面白さをお届けしたいですね。