「彼女と同棲して一年ほどですが、忘れられないのはある大雨の日。

僕は電車で通勤していて、朝は無事に動いたものの夕方は通行見合わせになり、帰れなくなりました。

タクシーを使うとそこそこの金額になるしすでに駅前は長蛇の列で、すでに帰宅している彼女に電話すると『すぐ迎えに行くから』と。

『危ないし、待てばそのうち動くかも』と言ったのですが、『人がいっぱいじゃない? 休むところなんてないでしょう』と彼女は心配してくれて、『この時間がもったいないから』と早々に通話を切られて焦りましたね……。

彼女が運転好きなのは知っているけれど、土砂降りの雨を走らせるのはこっちが心配だし、スマホを握りしめて着信があったらいつでも出られるようにしていました。

30分ほど経ってかかってきて、『いま着いた。公衆電話のところまで走って』と言われ、大混雑のなかを抜けて何とか彼女の車を発見、無事に乗り込みました。

彼女がタオルを差し出しながら、『無事でよかった』と言ってくれたのは今でも忘れません。

道路も大渋滞で、『スピード出せないのに早かったね』と言ったら『裏道があるのよ』と得意げに話す彼女にほれぼれしましたね。

まさかの事態でも躊躇なく動いてくれるこんな彼女がいて、本当に幸せだなと思います。

でもやっぱり大雨のなかの運転は危険だし、こういうときにどんな選択肢があるかを話し合いました」(男性/32歳/営業)

こちらのケースでは、ダイヤが止まる可能性が高いときは早退を考える、迎えに来るときは無理をせず危険ならすぐ引き返すなど、ルールを決めたそうです。

自分のために動いてくれる姿は確かにうれしいけれど、それ以上に安全が第一、「心配を減らす」方向で話し合えるのもこんな機会のおかげかもしれません。

一緒に生活をするからこそ、まさかの事態に備えた決まりを作るのがふたりのためといえます。

プロフィール:37歳で出産、1児の母。 これまで多くの女性の悩みを聞いてきた実績を活かし、 復縁や不倫など、恋愛系コラムライターとして活躍中。「幸せは自分で決める」がモットーです。ブログ:Parallel Line