キム・テリ「オ・ジョンセさんから学んだことが多かった」
――キム・テリさんは前作『二十五、二十一』のフェンシング選手のナ・ヒド役を演じるにあたって、足におもりをつけて歩くといった役作りをされたそうですが、今回『悪鬼』のク・サニョンを演じるにあたり、役作りにおいて準備したことがあれば教えてください。
キム・テリ:先ほどお話ししたことと重なりますが、韓国に“クエスチョンマークキラー(質問攻めする人のことを指す造語)”という言葉がありまして、これを取り入れて「なぜ? なぜ?」と質問をたくさんしたことですね。
台本の世界観が確固たるものがあって、ディティールがとても多かったので、このなかでひとつも見落としちゃいけないと思って努力をしました。
――オ・ジョンセさんは『サイコだけど大丈夫』で自閉症スペクトラム症を持つムン・サンテ役を演じ、放送を観られた(自閉症の)視聴者の方と、サンテとして遊園地に行くなど心温まる交流をされていますね。『悪鬼』では、民俗学者ヨム・ヘサンとして、役作りのエピソードがあれば教えてください。
オ・ジョンセ:ヘサンという人物は、ひとりの世界で生きている非常に孤独な人で、いわばユーモラスさや面白さというセンスがない人なんです。
そんな魅力のない人物ですが、ドラマが終わる頃にはみなさんに、このヘサンという人物に魅力を感じていただきたいなと思って、役の根底には善良な心を込めて演じました。
「悪鬼」というものを追い出すなかで、救うことができるものや解決できることに対して、目をつぶらずに人間としての善良な心を持って表現したいなと思って、役に肉付けしていきました。
キム・テリ:私は今回、オ・ジョンセさんから学んだことが多かったです。
ヘサンとしての作品に対する役作りへの取り組みにおいて、非常にたくさんのことを学べました。あと、この人は、いい人だなと思いました(笑)。
オ・ジョンセ、キム・テリ:(顔を見合わせて笑うふたり)