「0か100か」の白黒思考が縁を遠ざける
「自分は100%でこの人のことが好き」と自覚できても、相手が自分と同じく100%で好きでいてくれるかどうかはわかりません。
恋人関係になっていても、相手がこちらにどれくらいの愛情を向けてくれているか実感が難しい、というときもあります。
好きな人とのつながりで心が乱れがちになる人の特徴に「常に自分と同じ量で好かれていたい」「好かれていることを実感していたい」というものがあり、それが叶うかどうか不安が強くなると相手に答えを求めるのです。
実際に見聞きするのは「好きなら付き合って、そうでないなら関わらないで」と極端にふたりの関係を決めようとするもの。そこに相手の気持ちは存在しません。
自分と同じ100%で好きなら早く求めてほしいし、そこまでじゃないのならほかのつながりにすら自分を置かないで、となるのは、「愛される自分」しか頭にないからです。
相手によっては「いま」100%ではないけれど50%とか80%では好意がある、「これから」自分の気持ちを育てていこうとしている、という場合もあるのに、いきなり「0か100かにして」と求められたら、プレッシャーを感じますよね。
好意はあったのに、一方的な負担を負わされることで相手の気持ちが10%くらいまで萎えることもあるのに、白黒思考の人はこうなることを想像できないといえます。
「100%の好意でないと関わることすら許されない」ようなつながりをあたたかく迎えられる人などそうおらず、たいていは切羽詰まったこちらの姿を見て腰が引けてしまい、逃げ出してしまうのも仕方ありません。
そうなって「やっぱり好かれてはいなかったのだ」と落ち込んでも、その結果を招いたのは紛れもなく自分です。相手の在り方を正しく見ようとしない、距離を置いて相手の姿をまっすぐ受け止められない自分の弱さを考える必要があります。