「自分と等しく相手にもペースがある」と知る

はっきりとした告白がないとしても、「LINEでメッセージを送ったら前向きな返事をもらえる」「デートに誘ってもらえる」「会ってもらえる」と自分を客観的に見れば、多少でも好意を持たれていることはわかります。

たとえば仕事が忙しいときでも週末は一緒にランチに行ってくれるような相手を知れば、それが「100%で好かれている」と明確でなくても安らげるはずです。

ふたりのつながりで重要なのは「好意を伝え合うコミュニケーションが取れているかどうか」であり、「向ける好意は0か100か」ではありません。

自分を振り返れば、その人に感じる好意は突然100%になったのではなく、接触や言葉のやり取りを重ねて少しずつ育っていったはず。

それなら相手も自分と等しく好意が大きくなるには時間がかかり、またそれぞれ身を置く現実が違うのであれば、育つペースも変わってきます。

恋愛に集中できる環境かそうでないかも好意の伸び具合に影響することは確実で、忙しいときに好きな人にメッセージを送る心の余裕がない自分なら、相手だって等しくそうである可能性を忘れてはいけません。

「いま」自分は100%だから相手も同じであってほしい、は自分の事情でしかなく、相手がそれに沿えないことは当然にあります。

「同じでないならいらない」と極端に関係を決めようとする自分が相手にどう思われるか、「待ってもらえない」「自由でいられない」恋愛を相手がどう受け止めるか、想像すれば一方的に答えを迫るのがどれほど悪い手なのかがわかります。

自分と同じように相手にもペースがあり、それを尊重するのがあたたかい愛情を築いていく基本の姿勢です。

今ふたりはどんな関わり方をしているか、気持ちが安らぐコミュニケーションは取れているか、注目するのは「0か100か」ではなく居心地のよさだと筆者は考えます。