ウィークポイントが透けて見えるように

とは言え、気になる異性に会う時、ニキビや肌荒れ、目の下のクマなどを全開にしたいとは思えないこともあるでしょう。自分の弱みをどこまでなら見せていいかを判断するのが、メイクの難しさでもあるし面白さだとも言えます。

吉川さんは、コンプレックスを100%隠し通すと「一人でも生きていけそう」と思われる、隙のない顔になると指摘しています。たとえ女性自身が満足する美しい仕上がりでも、そのメイクは女性を幸せにしてくれません。

不都合な点を完全に覆い隠せば、男性が「猛烈に老けて見えるな……」と判断する、厚化粧になるリスクも高まるでしょう。

「肌荒れはあるけどキレイでいたい」という恥ずかしい部分が見え隠れするメイクは、「肌荒れを自己否定してキレイに見せたい」という完璧メイクを超えて、男性の心を揺さぶります。

つまり、ウィークポイントは隠すのではなく透けさせることで、男性をドキッとさせるメイクになるのです。

ツヤを優先し、乾燥を避ける

吉川さんと言えば「ツヤ肌」。

今やいろんなコスメブランドメーカーが当たり前のようにツヤ肌メイクを発表していますが、もとはと言えば、マット肌全盛期に「日本の女の子が疲れて見える」と気づいた吉川さんが発案したものでした。

元祖・ツヤ肌クリエイターである吉川さんは、ツヤはテカリとほぼ同じだと述べています。

正直言って、顔がテカってくるなんて、女性としては避けたい事態でしかありません。脂ぎった顔を人に見られたくない、だから女性は化粧直しをするのです。

でも、この本によると、男性的には女性のベタベタした肌の質感が嫌ではないそう。

それより、乾燥が敵です。テカリを抑えようとするあまり油分を取りすぎると、お肌がカサカサになって、女性の美しさも乾いてしまう。乾燥は若さを強奪していきます。

油分をとりすぎないほうがツヤをキープできます。ツヤを優先して乾燥を避けて。ちょっとくらいベタベタしても気にしすぎず、クリームやオイルで保湿を心がけましょう。

アイメイクは色素沈着のように!?

具体的なメイクのテクニックを知りたい方には直接『生まれつき美人に見せる』を読んでもらうしかないのですが、一例としてアイメイクを挙げておきます。

目もとの印象は重要。そのことをよく知っていて、目をぱっちりと大きく見せるよう工夫を凝らす女性は多いです。

ただ、男性は女性の顔を真正面からだけ捉えるわけではありませんし、しっかりと目を開いている状態だけを見るわけでもないのです。遠巻きに見ることも、斜め横から見ることも、身長差があって見下ろすこともあります。

ヒントは、まぶた。ツヤをのせるにせよシャドウを入れるにせよ、伏し目がちになった時のキレイさを意識したまぶたの演出で、周りと差がつく“イイ女風”メイクになります。

目もとが過剰に人工的な印象だと、男性の厳しい視線に合ってしまうことも忘れずに。

もとからそうなっているかのように魅せるという意味では、色素沈着のような自然さ(!)を目指すこと。あるいは素肌の色素沈着を隠さずに、そこをポイントに使ってしまうのもアリだそうです。

「色素沈着がない人間はつまらない」は、吉川さんの名言です。

まとめ

コンプレックスもウィークポイントも、自分の顔を彩る大切な要素です。

「もしかして、ちょっとヘン?」と思うような箇所こそが、男性に「危うい魅力があって、放っておけない!!」と思わせる味つけになるのです。

そう教えてくれるモテ顔メイク、ツヤ肌メイクって、意外に自分を愛おしく思うきっかけにもなりそうです。自分の特徴をうまく引き出したり活かしたりしながら、メイクを楽しみたいですね。

女性の生きにくさをちょっぴり軽くするコラムニスト。医療従事者向けの情報サイトでメディカルコミュニケーターを勤めたのち、『OKGuide』にて読者のあらゆる疑問・お悩みを解消に導くガイド記事を提供している。今や絶滅寸前の女子短大卒。