親にとって、子育てについての悩みは尽きませんね。
わが子が生まれた時の感動は一瞬で消え、育児に追いまくられる日々に、子育てを楽しむ余裕など生まれてこないかもしれません。
でも、ちょっと考え方を変えてみませんか?
筆者は30年以上欧米の人たちと接してきましたが、その中で欧米の親たちの子育てに対する考え方を知りました。
それは、親が子どもの面倒を見るのは18歳までということでした。
言ってみれば、親業は18年で定年を迎えるということです。
今日は『モンテッソーリ教育で伸びる子を育てる』の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱する平川裕貴が、子育てを楽しむためにお勧めしたい「親業18年定年制」についてお話ししたいと思います。
そもそもなぜ子育てが辛くなるのか
自身の身体でわが子の成長を感じながら、待ち望んだ出産までの日々。
そして、感動の出産。
でも、その後、育児に疲れ果てる日々が続きます。
お人形のように扱えたのはほんのつかの間。夜泣きが始まると夜中に何度も起こされ、それが収まってホッとしたかと思うと、動き回る子どもはなんでも口に入れ目が離せない。
そのうちイヤイヤ期が始まり、何をさせようとしても言うことを聞かない。
言葉が達者になると、子どもの自己主張や反抗に頭を抱える日々。
こんな日々が一生続くようにさえ感じて落ち込んでしまいますね。
でもそもそも育児にイライラする原因はなんでしょうか?
よくよく考えてみると、わが子なんだから思うように育てられるはず、と思い込んでいるのではないでしょうか?
子育てが辛くなるのは、自分の思うようにできるのが当たり前という期待をことごとく裏切られるからです。そして、それが延々と続くように思えるからです。
では、なぜ思うようにいかないのでしょうか?
それは、わが子と言えども、まったく別人格の一人の人間だからです。
「親業は18年で終える」という考え方
子どもを、社会で生きていける一人前の人間に育てるという仕事。
子育ては、一人の人間を社会に送り出すという、壮大で尊い仕事です。
そして、もしかしたら世界で一番むずかしい仕事かもしれません。なぜなら、どこにも答えがないからです。
でも、子どもを産んだ時点で、親という世界一難しい仕事を選んでしまったのです。
この仕事からもう逃げることができないのだとしたら、この仕事を楽しんでやれた方がいいですよね。
楽しく仕事をした方が、良い成果が上がるのは目に見えています。
そこで提案したいのが、欧米の親達の考え方「親業は18年で終える」という考え方です。
と言ってももちろん、18年を過ぎたら親でなくなるわけではありません。
子どもが18歳になったら、親と子どもというより、一人の人間対人間として接することができるようになるのではないかと言うことです。
親子であっても、お互いが、一人の人間として尊敬しあえるようになれば素敵だと思いませんか?