からだの内側からのアプローチも◎
ご紹介した対策はすでにすべて実施していて、他の予防策を知りたいという人もいるかもしれません。インフルエンザの予防策には、漢方薬もおすすめです。
高齢者を対象とした調査では、漢方薬を服用していた高齢者グループは、服用していなかったグループよりもインフルエンザと肺炎にかかる割合が低かったという結果が報告されています。（※1）
インフルエンザの予防には体力の維持や免疫力を高めることが重要であり、「胃腸の働きをよくして体力を回復させる」「栄養や酸素を行き渡らせる」などの作用がある漢方薬を選びましょう。
自然由来の生薬でできている漢方薬は、からだに優しくアプローチして、根本的な体質改善を得意としています。
手洗いやうがいなどの基本的な対策に加えて漢方薬を併用し、からだの内側からもアプローチしてみてはいかがでしょうか。
1．体力回復におすすめの漢方薬
・補中益気湯（ほちゅうえっきとう）
エネルギーを補い、胃腸の動きをよくして体力を回復させます。元気を取り戻すのを助ける作用があります。元気がなく胃腸の働きが衰えて、体力が低下している人におすすめです。
・十全大補湯（じゅうぜんたいほとう）
血行を改善することで、栄養や酸素が十分に行き渡るように巡りを促します。食欲不振や倦怠感、病後の体力回復に用いられる漢方薬です。すぐに疲れてしまう貧血傾向の人におすすめです。
2．漢方薬を選ぶ際の注意点
漢方薬を選ぶときは、症状や体質に合っているか見極めることが重要です。うまく合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあるので注意が必要です。
どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるためには、漢方に精通した薬剤師の力を借りるのがおすすめです。
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インフルエンザの予防には、手洗いやうがいの徹底、マスクの着用、湿度管理、人混みを避けるといった基本的な取り組みが有効です。
また、体内にインフルエンザウイルスが入ってきても対抗できるよう、健康的な生活を送り免疫力を高めておくことも重要です。
からだの内側から整えたい人や、忙しくてなかなか規則正しい生活を送れないという人は、漢方薬も取り入れてみてくださいね。予防策を徹底して、インフルエンザの流行を乗り切りましょう！
参考：（※1）加藤士郎「高齢者における漢方の有用性」
＜この記事を書いた人＞
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
