「夫からいびきがうるさいって言われた」「旅行やお泊まりのとき、いびきをかいていないか気になる」——そんな経験はありませんか?
自分では眠っているため気づきにくいですが、家族など周囲の人から指摘されて初めて意識する人も少なくありません。
いびきは寝方や疲れなどによって一時的に起こることもあれば、からだの変化や病気が関係していることもあります。この記事では、女性にも起こるいびきの原因や、取り入れやすいセルフケアを紹介します。
いびきが起こるメカニズム
いびきは、眠っている間に鼻からのどにかけての空気の通り道が狭くなり、空気が通るときにのどが振動することで生じる音です。
眠るとのどや舌の周りの筋肉は自然とゆるみます。そのため、起きているときよりも空気の通り道が狭くなりやすく、とくに仰向けでは舌がのどの奥へ下がり、いびきにつながることがあります。
疲れた日やお酒を飲んだ日、鼻がつまっているときだけいびきをかくことがある一方で、大きないびきが毎晩のように続いている場合は睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れていることもあるため注意が必要です。
いびきの原因
いびきは加齢やホルモンバランスの変化など、さまざまな要因によって起こります。ここでは、女性のいびきでよくある原因を紹介します。
1.加齢・骨格
年齢を重ねるにつれて、のどや舌の周りを支える筋肉が衰えることでいびきにつながることがあります。筋肉が衰えると睡眠中に筋肉がゆるみやすくなり、以前よりいびきをかきやすくなるのです。
また、下あごが小さい、あごがやや後ろに下がっているといった骨格の人も、気道が狭くなりやすい傾向があります。
2.ホルモンバランスの変化
女性の場合は、ライフステージによるホルモンバランスの変化もいびきと無関係ではありません。
エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、呼吸や睡眠の調節にも関わっていると考えられています。そのため、更年期以降は、それ以前より睡眠時に気道が狭くなりやすくなるのです。
3.肥満
肥満もいびきを招く要因のひとつです。首やのどの周りに脂肪がつくと、空気の通り道が外側から圧迫されやすくなります。その結果、眠っているときに気道が狭くなり、いびきにつながりやすくなるのです。
体重が増えてからいびきを指摘されるようになった、以前よりいびきが大きくなったという場合は体重の変化に注目してみましょう。
4.疲労・ストレス
疲労やストレスもいびきにつながる要因のひとつです。疲労やストレスがたまっていると自律神経が乱れやすくなります。自律神経は呼吸もコントロールしており、自律神経が乱れると口呼吸になりやすく、いびきにつながりやすくなるのです。
また、忙しさやストレスが続くと、寝る前のお酒が習慣になってしまう人もいるかもしれません。アルコールはのどの周りの筋肉をゆるませるため、いびきにつながることがあります。
5.病気の影響
睡眠時無呼吸症候群(SAS)や脳梗塞などの病気が関係している可能性もあります。
睡眠時無呼吸症候群は、大きないびきと一緒に、寝ている間に呼吸が止まることがあるのが特徴です。朝起きたときに頭が重い、しっかり寝たはずなのに日中眠くて仕方がない、夜中に何度も目が覚めるといったことが続く場合は要注意です。
脳梗塞ではいつも以上に大きないびきがみられるのが特徴です。
また、女性の場合は甲状腺機能の低下などが影響している場合もあります。
強いいびきや無呼吸を指摘されている場合は、「寝方や年齢のせいかな」と決めつけず、呼吸器内科や睡眠外来などで相談してみましょう。
いびきをチェックする方法
いびきは寝ている間に起こるため、自分ではなかなか気づけません。まずは家族やパートナーに「毎晩いびきをかいている?」「途中で呼吸が止まっていない?」と聞いてみるのもひとつの方法です。
ひとりで寝ている場合は、スマホの録音機能やいびき記録アプリを使ってみてもいいでしょう。数日記録しておくと「お酒を飲んだ日だけ」「仰向けで寝た日に多い」など、自分なりの傾向が見えてくることがあります。
また、録音で呼吸が止まっている可能性も確認できた場合は、医療機関に相談しましょう。
日常生活でできる!いびきを防ぐセルフケア
いびきの原因は人それぞれですが、寝方や生活習慣を少し見直すことで気になりにくくなることもあります。自分の生活に取り入れやすいものからひとつずつ試してみましょう。
1.寝方を見直す
いびきが気になるなら、まずは寝る姿勢を見直しましょう。
仰向けになると舌がのどの奥へ下がりやすく、空気の通り道が狭くなることがあります。仰向けに寝がちな場合は横向き寝を試してみましょう。抱き枕やクッションを使うと、眠っている間も横向きの姿勢を保ちやすくなります。
また、枕の高さも大切です。高すぎる枕では首が不自然に曲がって気道が狭くなりやすいため、自分に合った高さを探してみましょう。
2.舌のトレーニングをする
舌や口の周りの筋肉を動かすトレーニングもいびき対策のひとつです。おすすめは「あいうべ体操」です。
<あいうべ体操のやり方>
(1) 口を大きく開けて「あ~」の状態で1秒キープ
(2) 口を横に広げて「い~」の状態で1秒キープ
(3) 唇を前に突き出して「う~」の状態で1秒キープ
(4) 舌をあご先に向かって出して「べ~」 の状態で1秒キープ
(5) (1)から(4)を10回繰り返す
歯みがきのあとやお風呂上がりなど、毎日の習慣とセットにすると続けやすくなります。
3.就寝前の過ごし方を見直す
就寝前の過ごし方を見直して自律神経を整えることも、いびき対策につながります。寝る前はからだを少しずつ休息モードへ切り替える時間にしてみましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくり入る、心地よく伸びる程度のストレッチをする、照明を少し落として過ごすなど、自分なりにリラックスできる方法でOKです。
ただし、寝酒は睡眠の質を悪くしたりいびきや睡眠時無呼吸を悪化させたりすることがあるためできるだけ避けましょう。
4.適度に運動する
適度に運動してストレス発散や肥満予防につなげることもいびき対策のひとつです。
通勤や買い物のときに少し早歩きをする、エレベーターではなく階段を使う、昼休みに10〜20分ほど歩くなど、無理なく続けられる方法から始めてみましょう。
日中に適度に活動すると、程よい疲労が夜の自然な眠気を促すうえでも役立ちます。ただし、寝る直前の激しい運動は目がさえてしまうことがあるため避けましょう。
5.食事の摂り方を見直す
就寝直前の食事や寝酒など、食事の摂り方を見直すことも大切です。とくに寝る前の飲酒はのどの筋肉をゆるませるため、いびきが気になるときは控えめにしてみましょう。
仕事や家事で忙しく、寝る直前に夕食を済ませるときは、夕方におにぎりや軽食を食べ、夜はおかずを中心に軽めにする「分食」も取り入れましょう。
また、肥満対策として早食いを避け、ゆっくりよく噛みながら腹八分目を意識するのもポイントです。
いびきにおすすめの漢方薬
セルフケアを続けてもいびきが気になるというときには、漢方薬を活用するのもひとつの手です。漢方薬はいびきそのものに直接的に作用するものではありませんが、鼻づまりや肥満、ストレスなどいびきにつながるからだの状態に合わせて選ぶことで改善が期待できます。
いびきが気になるなら「脂質代謝を整えて肥満を改善する」「血流をよくする」「自律神経を整える」「鼻通りをよくする」などの漢方薬を選びましょう。
<いびきにおすすめの漢方薬>
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
余分な老廃物を排出し、脂質代謝を高め脂肪を燃焼していびきの原因となる肥満症の改善に役立つ漢方薬です。おなかがぽっこり出ている、食欲旺盛、便秘がちな人におすすめです。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
喉や胸部のつかえを取り去り、精神不安や緊張を和らげる漢方薬です。気分がふさぎ、のどに引っかかったような違和感がある人におすすめです。
スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが適した漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。
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いびきをきっかけに眠りを見直して
いびきは何気ない習慣や年齢による変化などによって起こりやすいものです。いびきをかいていると気づいたら、録音などで自分のいびきの傾向を知り、寝方や就寝前の過ごし方などを見直してみましょう。大きないびきが続く、呼吸が止まる、日中の強い眠気がある場合は、セルフケアだけで頑張りすぎず医療機関へ。自分に合った方法を見つけて、心地よく眠れる毎日を目指しましょう。
<この記事の監修者>
医師:木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。





























