あの名作がついに実写化!コミック実写化への挑戦

このキャストだからこそ、このスタッフだからこそ実現する、映像化は難しいとされてきたコミックが、今年ついに映画に。気鋭の監督たちが原作の世界観をどう描くのか注目!

『ホットロード』 夏公開

『あまちゃん』の能年玲奈の次回作、三代目 J Soul Brothers・登坂広臣の映画初出演作としても注目集める一作。

原作は紡木たくの80年代に人気を博した代表作で、作者初の映像化作品となる。孤独から暴走族に近いた和希は、そこで春山と出会って……。原作の社会・文化背景がどう踏襲されるのか、アレンジされるのかも、大きなポイントに。

 

©2014 映画「ルパン三世」製作委員会
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『ルパン三世』8月30日(土)公開

アニメを見たことがある人なら、小栗旬演じるルパン、浅野忠信演じる銭形警部の口調、玉山鉄二演じる次元、綾野剛演じる五ェ門、黒木メイサ演じる不二子の衣装は気になるところ。

一方で、大きな見どころとなりそうなのは、その動き。『VERSUS ―ヴァーサス―』『あずみ』の北村龍平の演出で、スピード感とアクション性に富んだルパンとなりそうだ。



『神さまの言うとおり』秋公開

突然現れた“だるま”が執り行う、命を賭けたゲーム。退屈な日常に埋没していた高校生の瞬は、繰り広げられるゲームの中で、生への執着を燃やしていく……。過激にして奥深い話題のコミックを、同様の味わいを映画で描いてきた三池崇史監督が映画化。福士蒼汰、山崎紘菜、神木隆之介という注目キャストが、三池ワールドでどんな表情を見せるのか?

 

『寄生獣 PART1/PART2』12月「PART1」公開、2015年「PART2」公開

岩明均の人気コミックが、ついに映画に! 

メガホンを執るのは、山崎均。キャストには、染谷将太、深津絵里、橋本愛が顔を揃える。生き物の摂理を描いていて、無慈悲なまでの残酷さと根源的な感動があるのが、原作コミックの読ませどころ。映像や演技とあわせて、『キサラギ』『鈴木先生』『リーガルハイ』で手腕を発揮する古沢良太の脚本にも期待だ。

 

 『TOKYO TRIBE』 2014年公開予定

『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』『地獄でなぜ悪い』の園子温の最新作は、架空の東京を舞台にした抗争劇。井上三太『TOKYO TRIBE2』の実写化で、暴力や犯罪の一方、友情や恋に生きるトライブ(族)たちのドラマを描き出す。

YouTubeで出演者の公開オーディションを行うなど、製作スタイルもストリートの熱を感じさせる。クールで熱い映画となりそう。

 

 

悩み奮闘して成長する…さまざまな青春ドラマ!

2014年の傾向として多いのが、青春ドラマ。その題材は様々ながら、どこかリアルでちょっとコミカルな青春が描き出されている。主演の若手俳優たちの輝きもまた見どころに。

©2014映画「銀の匙 Silver Spoon」製作委員会
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『銀の匙 Silver Spoon』 3月7日(金)公開

北海道の農業高校を舞台とした、荒川弘の人気コミックを映画化。

Sexy Zoneの中島健人が、主人公・八軒を演じる。キャストの扮装と芝居は、原作ファンも納得のクオリティ。

監督は、人の心を時にコミカルに、時にセンチメンタルに描き出す『さんかく』『ばしゃ馬さんとビッグマウス』『麦子さんと』の吉田恵輔監督。味わい深い演出が本作にも活きている。

 

©2013 樋口直哉・小学館/「大人ドロップ」製作委員会
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 『大人ドロップ』4月4日(金)公開

むずがゆくも痛々しくもある青春の甘酸っぱさを、正面から描く。

思春期特有の思いに突き動かされる主人公・浅井に、『愛の渦』『ぼくたちの家族』『春を背負って』にも出演している池松壮亮。浅井がまぶしく見つめるヒロイン・杏には、『あまちゃん』でさらに注目度を高めた橋本愛。

ともに役者としても青春のど真ん中にいるふたりのきらめきが印象的!

 

©2014 映画「百瀬、こっちを向いて。」製作委員会
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 『百瀬、こっちを向いて。』 5月10日(土)公開

隣のクラスの美少女・百瀬と付き合うことになったノボル。ただしそれは、ある事情による期間限定の偽装恋愛。しかしそこでノボルは、知らなくてもよかった思いを知ってしまう。

乙一が別名・中田永一名義で発表した短編を、新鋭・耶雲哉治が映画化。百瀬を演じる元ももいろクローバー・早見あかりの瑞々しさに、青春のときめきとせつなさが輝く。

 

©2014「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」製作委員会
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『 WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』5月10日(土)公開

三浦しをんの小説を、矢口史靖監督が映画化。出演作が相次ぐ染谷将太が主演を務める。何の目的も目標もないまま高校を卒業して、山奥の村で林業に従事することになった勇気。そこで彼が出会ったものは? 

キャッチコピーは、「青春林業エンタテインメント」。主人公がその身で感じる自然の素晴らしさや怖さを、矢口監督がどう描いているのかにも期待。

 

 『舞妓はレディ』 秋公開

舞妓を目指す少女のドラマにして、なんとミュージカル! 

周防正行監督の最新作は、歌とダンスもふんだんに盛り込んだ、エンタテインメント作品。ヒロイン・春子を演じるのは、監督が絶賛する新人・上白石萌音。

役も本人も初々しさの中にも芯の強さを感じさせて、まさに“マイ・フェア・レディ”な淑女=未来のスター女優誕生の映画ともなりそう。

 

わたなべ・みお ライター。マンガ・アニメ・映画などを中心に、雑誌や書籍で執筆。映画の宣伝ライティングも務める。近著に、『このマンガがすごい! 2012』(宝島社/共著)。主な著書に、『プロジェクトTHE LAST MESSAGE 海猿』『ROOKIES-卒業-~軌跡 完全シナリオ&ドキュメントブック』(共にぴあ)など。

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