号泣必至のラブストーリー『今夜、世界からこの恋が消えても』(通称『セカコイ』)が、7月29日(金)より公開中だ。
主演を努めるのは、『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)の5代目金田一一を演じた道枝駿佑(なにわ男子)と、第8回「東宝シンデレラ」グランプリに輝いた福本莉子。次世代を担うふたりが、儚くも切ない愛の物語を、自らの輝きそのままにフレッシュに演じきった。撮影に密着した筆者が、現場での様子をレポートする。
始まりは嘘の告白。“記憶”にまつわる感動のラブストーリー
道枝駿佑が走っている。前を向き、軽やかな足取りと朗らかな表情で、真っすぐに走っている。
人気アイドルグループ・なにわ男子のメンバーで、ソロとしても大活躍。まさに今、時代を駆け抜けているとも言える彼だが、これは映画の撮影のひとコマ。
カメラアングルと芝居を変えながら、横浜・八景島シーパラダイスの入場口へ続く金沢八景大橋を何度も何度も走る。そのひたむきさと爽やかさだけで、彼が今、恋をしていることが伝わる。そして観客は、そんな彼に恋せざるを得ない。
この夏、大きな話題となっている、一条岬の同名人気ラブストーリーを原作とした『今夜、世界からこの恋が消えても』。メガホンを取るのは、恋愛映画の名手・三木孝浩監督。その主演を務めているのが、道枝駿佑と福本莉子だ。
道枝はもちろん、福本もそのみずみずしい魅力と確かな演技力で脚光を浴びている存在。連続ドラマ『消えた初恋』(EX/21年)でも共演したふたりがダブル主演を果たし、道枝にとっては本作が待望の映画初主演ともなる。
物語は嘘の告白から幕を開ける。クラスメイトへの嫌がらせを止めることを条件に、いじめの主犯格に命じられるまま人気者の女子生徒・日野真織に告白することになった、神谷透。
あっけなく振られて大恥をかくことになると思いきや、真織は告白を快諾。透はすべてを打ち明けるが、それならば恋人のフリをしようと提案されて、ふたりは条件つきの交際を始めることになる。
その条件というのは、決してお互いを本気で好きにならないこと。しかし次第に距離が縮まっていく中で、それぞれがそれぞれにとって大事な存在となっていく。
そんな折、透は真織のある秘密を知ることになる。前向性健忘──交通事故が原因で、真織は眠りにつくとその日1日の記憶を失ってしまうという難病を患っていた。
毎日、記憶と経験をリセットされてしまうため、夜寝る前に日記に1日の出来事をすべて書き留め、朝、その日記を読み返すことで平静を装いながら日々を懸命に生きていた真織。しかし決して拭えずにいた、不安と絶望と孤独。それを知った透は、少しでも幸せで楽しい日々を届けたいと献身的に向き合っていくが、そんな彼もまたある事情と秘密を抱えていた……。