韓国では今年8月に公開され、瞬く間に観客動員数384万人を突破。第96回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作品にも選出されるなど、韓国の映画賞を数々獲得した映画『コンクリート・ユートピア』。
アジアをはじめヨーロッパ、南米と152か国で上映が決定し、世界中から注目を集めるエンターテインメント大作がついに日本でも公開される。
メガホンを執ったのは、鬼才パク・チャヌク監督の演出部にいた時代などを経て、独立したオム・テファ監督。さらに韓国を代表するトップ俳優のイ・ビョンホン、ハリウッドデビューを果たした「梨泰院クラス」などの人気俳優パク・ソジュン、注目の若手女優パク・ボヨンなどが集結した。
はたしてオム・テファ監督は、どのように本作を形作っていったのか、直撃インタビューした。
オム・テファ監督が語る!
大ヒット映画『コンクリート・ユートピア』撮影秘話
なぜ韓国には似たような形のマンションが多いのか、興味があった
――本作は「第44回青龍映画賞」でイ・ビョンホンさんが主演男優賞、オム・テファ監督が監督賞、パク・ボヨンさんが人気スター賞と3冠を受賞。
さらに「第59回大鐘賞映画祭」では最優秀作品賞、イ・ビョンホンさんが主演男優賞、キム・ソニョンさんが助演女優賞、そして美術賞、音響効果賞、視覚効果賞と6冠を受賞されました。率直な感想をお聞かせください。
とてもうれしいです。撮影のクランクアップの日に、スタッフのみなさんに「今回この映画に参加したことについて、恥ずかしくない作品にします」と約束をしたんですが、その約束を守れたのではないかなと思います。
――原作は、キム・スニョン作家のウェブトゥーン「愉快ないじめ」の2部「愉快な隣人」だそうですが、この作品のどこに惹かれて映画化をお考えなりましたか。
韓国で言う「アパート」は日本の「マンション」に当たる住居となりますが、もともと韓国ではマンションがとてもたくさんあるため、普段から「なぜ韓国には似たような形のマンションが多いのだろうか」と気になっていました。
ひとつの住居形態であるマンションは、ただの住居というだけではなく、人の財産や価値をも表すという側面にもすごく興味がありまして。
そんなときに、偶然原作となるウェブトーンを見たところ、その作品の中でもマンションがクローズアップされていたんです。大災害の後、マンションの一棟だけが残っているというストーリーが面白い設定だなと。「これを映画化してみたいな」と思いました。