イ・ビョンホンと仕事をするのが監督たちの夢

『コンクリート・ユートピア』ファングンアパート902号室の住人ヨンタク(イ・ビョンホン)。 © 2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CLIMAX STUDIO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

――韓国でもトップ俳優のイ・ビョンホンさんは、「ファングンアパート902号室の住人ヨンタク」役で、存在感のない状態から横暴に振る舞う人格の変わりようや、その背景に驚かされました。イ・ビョンホンさんのキャスティングについて教えてください。

韓国で映画を作る監督であるなら、誰でもきっとイ・ビョンホンという役者と一緒に仕事をするのが夢だと思います。

劇中では、最初は存在感のないヨンタクが次第に変貌していく姿やそのギャップをきちんと表現しなければいけないため、それができるのはイ・ビョンホンさんしかないと思いオファーしたところ、受け入れてくださったのでとても感謝しています。

イ・ビョンホンさんは、私が演出部として初めて携わったパク・チャヌク監督が参加したオムニバス映画『スリーモンスター(日本タイトル「美しい夜、残酷な朝」)』(2004年)の作品『cut』で、主演されていました。当時からイ・ビョンホンさんは尊敬する大先輩。ですから、今回も現場で緊張しましたが、監督である私の意見を尊重してくれました。

『コンクリート・ユートピア』ファングンアパート602号室の住人ミンソン(パク・ソジュン)。 © 2023 LOTTE ENTERTAINMENT & CLIMAX STUDIO, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

たとえば役者として意見を出す際も、質問して私の意見を聞きながら、最終的なジャッジを任せてくれたことをすごく感謝しています。そんなイ・ビョンホンさんと一緒の現場での作業が、映画作りに本当に役に立ったと思います。

――パク・ソジュンさんは日本でも人気の高い若手俳優ですが、「ファングンアパート602号室の住人ミンソン」役にキャスティングした理由はなんでしょうか。

パク・ソジュンさんは、すごく素敵でハンサムな役者さんだと思うのですが、その一方で普通の人と同じような平凡な面も持っている役者さんだと感じていて。ですので、ミンソンとして、普通の住人としての演技をパク・ソジュンさんが自然に演じてくれると思ったからです。