霧が晴れた心で

別れた元恋人のことをいつまでも心に留め、憎しみを募らせる状態は視野を狭くします。

いまバーゲンの季節だったことも忘れていたという圭子さんは、外の世界を目にしてやっと、元彼について無関心でいられる時間の大切さがわかりました。

もし元彼に未練があれば、何をしていても思い出すし新しいものを手に入れても満足は得られません。

そうではなく、「彼のことを思い出さない状態の自分こそ正解なのだ」と理解すれば、そんな時間を多くすることが今の自分に必要なのだと気が付きます。

「何ていうか、彼を考えない自分でいろんなことを楽しめるのがすごく幸せだなと思いました。

家に閉じこもっていたらどうしても悪い記憶ばかり蘇ってくるし、やり直す気がないのならさっさと忘れるのが当たり前なんだって、今さら思って」

と、圭子さんはそれから外出する時間を増やしたそうです。

先輩や仲のいい友人たちと過ごし、元彼以外の話題で盛り上がり、そうやって新しい情報を手に入れていくことで元彼は本当の過去になっていきます。

カラオケで歌いたい曲を覚えることを楽しみながら、圭子さんは「心の霧が晴れたような状態でした」と、笑顔を浮かべました。