相手の状態を無視すると…
この話を友人にしたら、「だから言ったのに」と実那子さんの行動に呆れていたそうです。
「友達は、『私は会うセッティングをするのが嫌だったわけじゃないの。あなたは◯◯くんに会いたいって焦ってばかりで、◯◯くんの気持ちとか全然考えてなかったでしょう。そんな状態で会ってもダメだからあのときは断ったのよ』って。
友達から見てもそんな私だったのですよね、それなのに『会えば何とかなる』って思って暴走した自分が今は恥ずかしくてたまりません」
実那子さんは、肩をすぼめて言いました。
本当に自分の依存状態を反省して改善する意識を強く持ったとしても、それは実那子さんの事情であり、元彼には関係ありません。
この友人が言う通り、相手の気持ちをまったく考えないままで「今の自分を知ってほしい」と動いても、それを受け止めるかどうかは相手しだいである以上は拒絶されても仕方ありません。
知ってほしい、伝えたい気持ちがあるのならその自分を見せる前に相手の状態や気持ちを確認するのが先で、「聞いてほしいけれど、大丈夫?」のワンクッションが相手にとっては尊重になります。
自分から接触することができないのであれば友人の力を借りるのも間違ってはいませんが、「会う場を作ってほしい」ではなく「彼に、話したいのだけど構わないかどうか聞いてほしい」が先で、相手にも接触の機会について考える時間を持ってもらうことが、自立した関わり方になります。
まったく想像もしていない瞬間に元カノが突然目の前に現れて、「変わった自分」を伝えてきても、こちらの状態をいっさい無視しているのであればそれは「変わっていないのと同じ」ですよね。
本当に依存から抜けたのであれば、自分の関わり方を元彼がどう思うかを想像する意識がはたらくはずで、どこかで「受け止めてもらえるはず」という甘えが残っていたことが、実那子さんの失敗の原因でした。