思い通りにいかない「距離感の作り方」
「その男友達を好きになる可能性はないのですか」と尋ねると、女性は少し考えたあとで「難しいですね」と答えました。
その男性と今のような感じになって一年あまり、ふたりきりでいるときも特に性的な欲が出る雰囲気にはならず、一線を引いた接し方が当たり前で、でも何時間でも一緒にいられるような状態は、女性にとって「今さら恋愛対象にするのはお互いに無理では」という気持ちがありました。
そこできっぱりと「この人じゃダメ」と付き合い方を変えるやり方もありますが、いきなり突き放すような態度はふたりの間にネガティブな感情の溝を生む可能性があり、互いに不安にならない距離感を作ることを考えます。
女性がこの男友達に「甘えている」と感じること、いつも彼のクルマで迎えに来てもらうことや週末の長電話など、心の近さがある関わり方を少しずつ減らしていきました。
「仕事が忙しくなって、と彼には話していました。
そこで気がついたのが、私のほうからお出かけとか誘うのが多かったなってことで、声をかけなければ彼からの接触も減るだろうと思ったのですが……」
女性にとって予想外だったのは、距離を取ろうと連絡を控えたら男友達のほうから「仕事は順調?」「根を詰めるなよ」と気遣うメッセージが増えたことで、LINEでのやり取りが変わってきたことです。
「この人と別の男性と恋愛がしたいから離れたい」と思う女性の意に反して、男友達のほうはこれまでの距離感を崩さないまま自分の存在を伝えてくるのですね。
少しずつ接触を減らせば男友達はそれを受け入れるだろうと思っていた女性は、久しぶりの食事の誘いを断ることに罪悪感を覚えながら、男友達との今後について悩みました。