小学校3〜4年生で渡し方に変化が出る
子どもの行動範囲が広がり、子どものほうから「お小遣いが欲しい」と交渉してくることが多くなるのがこの年齢。
塾や習い事にひとりで出かけることも増えるため、都度手渡しの煩わしさを避けるために月額制にする家庭も増える印象です。
「我が家は交通系ICカードに1ヶ月分のお小遣いをチャージするようにしています。週2回の塾への交通費が2,000円弱かかるので、その交通費を含めて毎月3,500円チャージして、コンビニなどでの買い物もそのカードを使わせています。
最初は交通費含めて3,000円にしていたのですが、毎回、塾の帰りに友達とお菓子を買って食べながらワイワイ帰ってくるのが楽しいようで……足りないと言われてしまって。
人に奢ったり無駄遣いしたりしている様子もないし、勉強を頑張っているので大目に見ています」(金融関係/40歳)
このように、親なしの行動が多い子は月額制になることが多いようです。
また、ICカードにお小遣いをチャージする際にポイントとなるのは、「残高を毎回確認させること」だそう。そうすることで、あといくら使えるのか、今日はいくら使ったのかを本人も家族も把握しやすくなります。これがなかなかできない、という理由から現金で渡す方法に戻したという家庭もありましたよ。
中には「親がスマホで使用履歴が見られるプリペイドカードを渡している」と、渡す金額やその方法だけでなく、渡した後の“見える化”に重点を置いている家庭もありました。
「普段使うお小遣いは月額制にして、そのお小遣いで足りない場合は都度渡すようにしています。
ただ、『使いすぎて足りなくなった』という理由でお小遣いの都度渡しを要求するなどはNG。友達と夏祭りに行くとか、そういうイレギュラーな予定の場合に都度渡しをするイメージです」(ピアノ講師/38歳)
このように、基本的には月額制だけれど、何か特別な予定がある場合はどの都度渡すという家庭もあります。この場合、普段の月額制のお小遣いは1,000円未満と少し低めに設定することが多いようです。
小学校5〜6年生はお小遣いを使う範囲が増える?
小学校の高学年になると、友達と遊ぶときにお菓子を買うなどの日常の少額な出費だけでなく、好きな芸能人のグッズや漫画など、これまでよりも少し出費額が大きくなるものもお小遣いの範囲でやりくりして欲しいと考える親が増えてくるようです。
「我が家は小学校高学年になったタイミングでお小遣いを2,000円に増額しました。それまで1,000円だったので、2倍ですね。
というのも、それまでは欲しいものがある場合は親に言って買ってもらうというルールだったのですが、その都度渡しがそこそこの金額になってしまって……。ある程度の金額を渡して、欲しいものを買う場合のお金の管理も自分でやってもらうことにしました。
苦しい月もあるようですが、そういうときは気まぐれにお手伝いをして少しだけ増額して……と、頭を使ってなんとかやっているようです」(出版社勤務/42歳)
逆に、高学年になったら使うお金が減って、お小遣いの形態を変えたという家庭もあります。
「中学受験をする子が多い地域で、息子は地元の公立中学校に行くことを選びました。そうすると、放課後に遊べる子が極端に少なくなってしまい、親がいないところでお金を使う機会が減ったようで。
『お母さんといるときしか買い物しないから、欲しいものがあったら言うから』と、自分から都度渡しを希望したので、今は月額で渡していません」(医療事務/41歳)
高学年は子ども自身がやっていることや家庭環境によって、周囲とリズムが変わってくる時期でもあります。親といるときにしかお金を使わない、という生活に戻ってしまうこともあるのですね。