近年グイグイきている「肉」ブーム。ステーキ、焼き肉、ハンバーグ…肉好きたちの舌とお腹をつかむため、肉料理専門店が日々しのぎを削っています。
そんな中、今回ファミレスの定番チェーン『デニーズ』の開店40周年を記念して、すごいローストビーフが食べられるという情報をキャッチ。その他にも様々な肉メニューが登場するそうです。
でも、そもそもファミレスでそんなにうまい肉が出てくるの? やっぱりファミレスクオリティ…と期待を挫かれるのか? その味を確かめるべく、試食会に行ってきました。同行者は『東京最高のレストラン』等グルメ本の監修を多数手がける食のプロ、大木淳夫氏です。
厚切り&ジューシー!ローストビーフの概念が変わる!
まずはフェアの目玉メニューである『アンガスサーロインのローストビーフ』からさっそく試食。いわゆる薄切りのローストビーフを想像すると気持ちよく裏切られる、1cm近くはあるかという厚切り仕様。外側のしっかり焼き目と中のピンクのお肉、そして適度な脂身…ビジュアルは合格です。そしてひと口……うまい! 肉の旨味がジュワ~ッと溢れでてきます。
大木 「とにかくやわらかいですよね。想像以上にやわらかい!
そもそもアンガス牛がここ数年人気があるんです。そんなに値段が高くないし、やわらかい割には脂肪が少ない。いまの熟成牛や赤身肉のブームの流れの中で、アンガス牛が注目されているんです。知り合いの女性で1kgたいらげた人もいましたが、日本の牛みたいにサシがないので、それだけ食べられちゃうんですよ」
同行した女性スタッフ曰く、普段は苦手な脂身も、このローストビーフの脂身には「おいしい」を連発。確かにしつこくないんです。その秘密は調理法にあり。まず肉の表面を高温で焼き上げ、その後で真空状態にして低温でじっくり熱を通していく"低温調理"を採用しているんです。
大木 「低温調理はここ数年のトレンドの調理法なんですけど、レストランに来る楽しみってやっぱり「家では食べられないものを食べる」ということだと思うんです。低温調理はなかなか家ではできないので、<ここでしか食べられない感>は強いですよね」
こんな丁寧な調理をしているとは……驚きました。さらに肉だけではなく、付け合せにもひと工夫。
大木 「ここ最近思っているのが、<肉のうまい店は野菜もうまい>という不思議な法則があるということ。例えば女性をターゲットにしたときに、肉だけ食べても楽しくないでしょう。
じゃあ付け合せにどこまでこだわれるのか。まず定番の生野菜とマッシュポテトがあり、さらにサツマイモもあり、カボチャもある。どうしたら飽きずに食べられるかが考えられています」
さらに「約130グラムで税込1995円は、グラムあたりの値段を考えると相当安い。これであのやわらかさが味わえるのはオトクだと思います」と、コスパ含めかなりの高評価。これが期間限定とは言えデニーズでいつでも食べられるとは…肉好きにとってはかなりの<穴場肉スポット>かもしれません。