「両親が離婚したのは俺が30歳のときで、父はもう定年退職しており、母とは何年も別居していました。
俺は県外の会社に就職して結婚し、今は子どももいて幸せに暮らしています。
両親の仲が冷めきっているのは学生の頃から知っていたけど、俺が家を出てからも離婚せず別居になったので、このままいくのかと思っていましたね。
離婚の報告は母親からで、父から突然切り出されて驚いたけれど『どうしても別れたい』と強く言われ、それでも抵抗していたら父の代理人として弁護士が登場し訴訟の話まで出されて渋々従ったそうです。
とっくに愛情なんてなかっただろうし離婚の何が母は不満なのだろうと思ったら、『別れたら生活費がもらえなくなる』『遺産を相続する権利がなくなる』と、結局は自分の都合。
父の両親が経営する会社があり父はそこで役員を務めており、離婚ではなく別居を選んだのは、高い金額の婚姻費用をもらい続けることができるからだったのかと気が付きました。
母の実家は普通のサラリーマン一家で、そこで両親と住み続けている母親には別居してでも父との結婚を続ける理由があったのですね。
『離婚すれば財産分与である程度お金がもらえるだろう』と言ったら、『確かにまとまったお金はもらえたけど、老後の足しにはならない』とやはり気に入らないらしく、そんな愚痴を離婚後にずっと聞かされて疲れています。
生活費について俺に援助するよう言ってきますが、子どもがいてこっちもそんな余裕はないし、別居も離婚も自分たちが決めたことなのだから責任を持ってほしいと思いますね」(男性/33歳/営業)
親たちの「事情」がどうであれ、「こっちはもう自立して自分の生活があるのだから、尊重してほしい」とこちらの男性が願うのは当たり前です。
離婚そのものに不満があっても、こちらのケースでは弁護士を入れてきちんと財産分与もしている様子を聞けば、不満を持ち続けるより新しい人生を考えるほうが健全といえます。
離婚の責任は常に自分が持つもの、子どもを巻き込むのは悪手でしかないとしみじみ思います。