前向きに諦めること

Bさんは、この不倫の終わりが尾を引いて、しばらくは落ち込みがひどかったそうです。

だから時間が経ってそのことを尋ねられることが苦痛だったと、後でA子さんに話してくれました。

「Bは、今は元気になって彼氏も探しているそうですが、そんな経験をしたら誰だって立ち直れないですよね……。

不倫したのを後悔してるって、最後まで繰り返していました」

人に言えない関係を進んで手にし、その結果相手と憎しみあって終わるような恋愛は、自分を苦しめるのだとA子さんは実感します。

「会社の彼のことは、潔く諦めようと決めました。

本当に好きだけど、もし彼とBのような終わりになったら、最悪じゃないですか。

それに、隠せる自信もないですね」

大好きな男性から求められる展開になっても、不毛なつながりなら外に話すわけにもいかず、また何かあれば仕事に影響するような状況です。

その現実を見て、A子さんは諦めることを決めたそうです。

「彼には、あなたが離婚して独身になったらねって返しました。

返事は来なかったのですが、それが答えだなと思っています」

と、A子さんはLINEのトーク画面を見せてくれました。

A子さんの気持ちを知って返せないのであれば、ここで終わるのが正解。

諦めるのは自分のためという前向きな選択で、A子さんは今は独身の男性との出会いを探しています。

そのときの「好き」に支配されて不倫関係を求めてしまえば、その後の苦しみもすべて自分が引き受けることになります。

何年も関係を続けていて最後にあっさりと捨てられるような終わりは不倫ではよくあって、そのときに後悔しても過ぎた時間は戻りません。

自分が幸せな恋愛をするためには、こんな諦めも前向きな選択になるのだと、心得ていたいですね。