本当に子どものスケジュールに合わせて働けるの?

ウッビースタイルの事務所に直営店「Woo-By(ウッビー)」が併設されている

会社の概要について分かったところで、投稿にあった「子どものスケジュールに合わせて働ける」という点について聞いてみた。

現在は新規採用をしていないが、そもそも、このようなスタイルを採用したのは「働きたい意思と能力はあるけど、働ける場がない、子育てしながら働ける場所を知らない」というママに積極的に社会参加してほしいから。

ウッビースタイルは現在、野村社長と夫で同社管理部管理主任の勇樹さんを含め、8人(うち男性3人)の従業員がいるが、全員家庭を持っている。

従業員は子どもが通園・通学する時間に合わせて出勤時間を自由に選ぶことができ、毎年4月に学年が変わるたびに変更できる仕組みだ。また、長期の休みにも応じる。例えば、子どもが夏休みということになれば、1ヶ月ほどの休暇もできるそうで、その間は「時間が融通できる従業員でローテーションする」のだという。

なぜ、このような就業体系が可能かというと、野村さん夫婦以外は「パート職員」として採用しているから。野村社長は「インターネットを使って自宅でも作業ができる時代。決められた時間までに決められた仕事をしてくれればいい」と話す。その上で「従業員も子育てが落ち着いて、『正社員になりたい』という声が多くなったら検討する」と将来のビジョンも語ってくれた。

女性社員の一人は、「子育てについて、社長をはじめ全員が理解してくれているので、本当に働きやすい職場」と話していた。
 

ほとんどがママ作家
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作家については現在120人ほどに作品を依頼しているが納期は決めていない。というのも、作家の多くが育児中のママであるため、納期を設定することで、子育てにしわ寄せが出ないようにとの配慮から。

「納期を設定しない、できる時間にできる分だけ作品を作るといった、作家さんにとって働きやすい環境を整えることで、作家さんもいい作品を生み出してくれる」といい、「いつでもいい」と言っても、在庫が切れたことはないのだそう。

だからといって、誰でもウッビースタイルの作家になれるわけでない。昨年は1年間かけて新しい作家を発掘するために審査を行って数人を採用したが、競争率は160倍だったという。野村社長は「作品としてお客様に届ける以上は一定のレベルが必要」と話す。

量販店のものに比べて縫製も素材も遜色ない
細かいところにも気配りされた商品
テレビ番組で紹介されるヒット商品も

野村社長は「きれいごとかもしれないけど、ママが作ったものでママと家族、社会を元気にしていければと思っている。でもきれいごとも、本気で追及すればきっと叶うと信じている」と語ってくれた。

 

取材を終えて

子どものスケジュールに合わせて働ける店は、ママ起業家の「ママの笑顔で社会を救いたい。ママの笑顔は家族の元気」という“きれいごと”から生まれた店だった。野村社長の言葉を借りれば、「働きたいのに子育て中だから働けない、社会とのかかわりかたが分からない」という女性は多いはずだ。

ウッビースタイルのような会社が増えてくれれば、女性がもっともっと社会で活躍できる場が増えるだろう。一日も早く、そういう社会が実現することを願いたい。


※本記事は2014年5月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

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