彼氏に感じる違和感

「私の部屋にいるとき、彼のスマホにマッチングアプリが残ったままであることを見てしまって。

『何で消さないの?』と言ったら『忘れていた』と返すのですが、それでも削除しないのが気になりました」

「今はもちろんやってないよ」と彼氏は言いますが、それならどうして残しているのか、お付き合いが始まってすぐにアプリを削除していた和佳子さんは違和感を覚えます。

「勝手にログインしたら痕跡が残るし、もう一度アプリをダウンロードして彼のプロフィールを探ろうかなとまで考えました」

恋人になったのなら、出会い系のようなアプリは削除するのが当たり前と思っていた和佳子さんは、そうではない彼氏の気持ちが不安だったそうです。

それでも、一緒にいるときにスマートフォンを触ることをしない、和佳子さんに操作を見られることも気にしない、何より「好きだ」と言ってくれる彼氏の姿を、和佳子さんは信用していました。

ですが、やっぱりアプリを残したままであることが気になり、あるとき思い切って「削除してほしい」と彼氏にお願いします。

「『俺を信用してくれないの?』と言われました。

そうじゃなくて、彼女としてそういうアプリが彼氏のスマホにあるのは気になるからって、素直に伝えたのですが……」

客観的に見れば、出会いがそれでなくても、交際中の恋人のスマートフォンにマッチングアプリがあれば、嫌な気持ちになるのは当然です。

和佳子さんはこう話したそうですが、彼氏のほうは「和佳子と出会ったものだから、記念に置いているだけ」「ずっと使っていたから、消すのがもったいなくて」と以前と違う言い訳を出してきました。

それを信じそうになるのは、先に書いたように彼氏が自分に愛情を向けているのを感じているからで、「休日も夜までずっと一緒にいる」現実を見れば、浮気をしているような不安はありません。

ただ、「ほかのことでは、私が嫌がったらちゃんと話し合ってやめてくれる人」であることが、かえってこの「抵抗」への違和感を深くしていました。