しかし、そうはいってもスマホのキャリアショップでもカバーは売られています。その点を今度はキャリアに直接取材しました。
共通質問:カバーは電池の放熱を阻害すると、電池メーカーに聞いたのですが。
A社「確かにカバーは電池放熱の阻害要因になります」
――実際にAショップでは売っていますが
A社「・・・売っているのは、当社で試験した結果。合格した製品のみとなります」
――どのような試験を行っているのですか?
A社「それはお答えできません」
――利用者の安全に関わることを答えられないとはどうしてなのですか?
A社「テスト結果は安全ですのでご安心ください…」
この後、30分ほど問答しましたが、納得のいく回答は得られませんでした。
B社「カバーはつけていても問題ありませんが、社外のカバーについてはすべて調べていませんので、B社で認めた純正品をお使いください」
――純正品があるのですか?
B社「はい。Bショップに置かれているものは、カバーメーカーで発熱等を調べてから、当社ショップで販売しております」
――どんなテストを行っているものなのですか?(調べてと、折り返しになる)
B社「はい。電池の発熱が異常になっていないか調べています」
――カバーをつけているとやはり熱は多くなってしまうモノですか?
B社「そうですね。やはり放熱という点では不利になりますから、傷を気にしないのであれば、つけないことをおすすめします」
C社「カバーをつける際は電源をお切りいただくようにお願いしております」
――それではスマホの意味が無いのでは
C社「…そうですが。使用する際に電源をいれていただければと思います。」
この後、これ以上の回答は出来ないと言われました。
ABC 3キャリアに問い合わせましたが、どうも完全に納得のいく回答は得られなかったので、スマホメーカーに再度問い合わせをしました。
――カバーをつけていると発熱の問題があるとキャリアは言うのですが、メーカーとしてはどのような見解ですか。
「それは問題視しています。現に事故も起こっておりますので、ある一定以上の厚みのあるカバーは付けられないように設計しています」
――具体的には?
「当社の製品は、クレードル(充電置き場)に刺して充電するのですが、そのクレードルの隙間の厚みを狭くして、カバーが薄くないと、刺さらない仕組みになっています。またカバーを付けての故障は保証対象外としています」
――なるほど。物理的にカバーが厚いと充電できなくしているわけですね。
このメーカーによれば、スマホをカバンの中にしまう場合も、カバンの構造によっては、夏は熱がこもるので、あまりよろしくないとのことでした。またズボンのポケットに入れるのは、布くらいでは大丈夫でしょうとのことでした。
いかがでしたでしょうか。電池の劣化が進みやすい、安全性が低くなると考えられるカバーの装着について、筆者は否定的に捉えましたが、傷を付けたくないという気持ちも十分わかります。できれば厚みの少ない放熱しやすいカバーを求めるのも一つの手段でしょう。