「早く寝ないとお化けが来るよ」
「言うことを聞かない子は○○ちゃんのママにもらってもらうからね」
子どもが親の言う通り行動しないとき、つい、ありもしない作り話をしてみたり、お化けや鬼など怖い存在の力に頼って、子どもの行動をコントロールしてみたくなりますよね。
でも、子どもには冗談が通じていなかったり、不安におびえたり、トラウマになってしまうこともあります。
『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子が詳しくお話しします。
脅しは如何に?
「早く寝ないとお化けが出てくるよ」
一日の終わり。幸せな気持ちで床につき、すがすがしい朝を迎えたいですよね。
そんなとき、親に毎晩「早く寝ないとお化けが○○ちゃんを食べに来ちゃうよ」「鬼がくるよ」と脅されながら眠りにつくのはどうでしょうか。夢の中でうなされるかもしれません。
そして、子どもは「お化けや鬼が怖いから」という理由で親の言うことを聞くだけで、叱られている本当の理由については理解していないのです。だから、同じことを何度もしてしまいます。
ですからこのような言い方はせず、シンプルに「9時だから寝よう」とだけ言いましょう。
親が明かりのついている部屋でテレビを見ていると、子どもはますます寝たくなくなります。部屋を真っ暗にし、親も一緒に寝る振りをすると、子どもも寝ざるを得なくなり、寝てくれます。
「お片付けしないんだったら、幼稚園に行っている間に捨てちゃうからね!」
登園前。散らかしたおもちゃをなかなか片づけない子ども。そんなとき、つい「お片付けしないんだったら、幼稚園に行っている間にママが捨てちゃうからね!」と言ってしまうことがあります。
こんな風に言われたら、子どもは片付けざるを得ません。でも、それで「うまくいった!」と思っているのは親だけです。
神経質な子の場合、幼稚園に行っている間、「何か片付け忘れたものはないだろうか。ママにおもちゃを捨てられちゃったらどうしよう」と気が気ではありません。
幼稚園から帰って来て、おもちゃが捨てられていないことが次第にわかってくると、それが脅しであることに気づきます。すると、その手は使えなくなります。「捨てる」と言ったならば本当に捨ててしまいましょう。
「これ結構高かったし、子どもも大事にしているものだから…」と捨てることが出来ないのならば、「捨てる」なんて嘘をつくのは止めましょうね。