アプローチは、共犯者になれるタイミングを待つ


では、いつアプローチすればいいのか。それは「共犯者になれるタイミング」を待つことです。「吊り橋理論」という言葉をご存知でしょうか。まったく見ず知らずの2人に、揺れて歩くのが困難な吊り橋を渡らせると、一時的であっても親しくなりやすい現象が起こるという学説があります。男女の場合、擬似的な恋愛関係に発展することも珍しくないとされています。

 

足下が揺れて前に進むのが困難なら、見ず知らずの人であっても、心を通わせて協力しなければ橋を渡ることができません。男女の場合、急激に心が近づいた状態を、恋愛感情と錯覚しやすいため、擬似的とはいえ恋愛関係に発展しやすいわけです。この心理現象には疑問を唱える意見もありますが、異性にアプローチするのに応用できる方法ではないでしょうか。


つまり、「共犯者になれるタイミング」を待つというのは、気に入った女性が誰かに協力を求めなければいけない瞬間を見逃さないということです。


たとえば、テーブルの真ん中の届きにくい場所に置かれた飲み物を取ろうとしていたら、「取りましょう」と声がけして手渡すなどといったことは、いい例でしょう。この時に気をつけるのは、「取りましょうか?」と尋ねないこと。

心の距離が十分に近づいてないわけですから、あなたからの申し出を断られる可能性が高いはずです。「取りましょう」といって、スマートに取って渡してあげれば、ふつう、相手の女性はあなたの申し出を断れません。

もしそれでも「私、いりませんから」と言われたら、ほほえみながら「そうだったんですか? ごめんなさい。取りづらそうに見えちゃったものですから」と答えてみましょう。
意中の女性は、あなたに対してさらに警戒心を解きやすくなりますし、会話が途切れるタイミングを作りません。すかさず、次の話題を振って、会話を続けてみましょう。

もし、そのまま会話がはずむなら、「脈アリ」と見ていいでしょうね。

意中の女性と長く話さない

意中の女性にアプローチが成功して「脈アリ」と感じたとしても、意中の女性と長く話すのは好ましくありません。女性の方は、かなりの確率で友人を誘って参加していることが多いはずです。


もし女性の友達を誘って参加しているなら、1時間前に出会ったあなたよりも、一緒に来た友人を気にするのは当然のこと。

あきらかに、一緒に来たと思われる女性がいるようなら、「お友達の方待ってらっしゃるみたですすけど大丈夫ですか?」といった言葉をかけてあげてください。

また、お友達の女性が話しかけてくるようなら、意中の女性と同じように公平に話をすること。3人で会話をはずませれば、さらに意中の女性の警戒心は薄くなります。

もし、友達を気にして行ってしまうようなら、SNSのアカウントなどを教えてもらえないか申し出てみましょう。連絡先を入手できたら、無理に会話は続けず、パーティ終了後に連絡を取るほうが無難です。

一般的に、女性は自分の心にゆっくり近づいてくる男性に好感を持つと言われています。
ホテルの会員制Barのような非日常的な空間は、文字通り出会いを得るまでの場所と考えるほうがいいでしょう。そもそも、心理現象を利用して、疑似恋愛感情を女性に植え付けて連絡先を入手したわけです。


あまりほめられたものではありませんから、せめて、SNSなどを通じて、ゆっくり連絡を取り合いながら、再びリアルに会って、本当の恋愛関係を構築しなければ、すぐに恋愛活計は壊れてしまうでしょうね。

非日常空間での恋の主導権は女性にある。女性からのアプローチは圧倒的に有利

男性からのアプローチについて書きましたが、もしあなたが女性なら、あまり細かいことを考えず、気に入った男性に積極的にアプローチしてよいと思います。パートナーと一緒に参加している男性なら、必ず隣に座っているはずですから、よく注意すればわかりますよね。

パートナーがいないことが確認できたら、気軽に声がけしてみましょう。初対面の男性に声がけするのが苦手という方は、先ほどお話しした「共犯者」になれるタイミングを待ちましょう。

料理を取り分けたりといった、さりげなくサポートしてくれる女性に、大抵の男性は心が動きます。他に気になる女性がいないのであれば、あなたが気に入った男性は、あなたとの会話を楽しんでくれるはずです。

無理に主導権を握る必要はありませんが、ホテルの会員制Barのような非日常的な空間では、女性に恋の主導権があると考えていいと思います。一夜限りの肉食系女子になって、どんどん気に入った男性を攻めましょう。

ただし、気に入った男性とはいっても、出会って1日と経たない男性です。携帯番号や勤務先など個人情報を安易に教えないなどといった、最低限のガードは固めて、気に入った男性にアプローチしてくださいね。

 

福岡県北九州市生まれ 93年から週刊誌・書籍のライターとして活動。救急医療の現場取材・社会保障問題といった社会派な記事から料理、食べ歩き、映画論評まで執筆ジャンルは様々。児童文学作品を上梓する傍ら、フードコーディネーターとしてメニュー開発なども行う。近著に「さぼちゃんのおぼうし」「うちの職場は隠れブラックかも」。ブログ