さらに、2時間以上座っていると、善玉コレステロールの数が20%減少するという報告があります。善玉コレステロールの減少は動脈硬化を招き、脳梗塞などを引き起こしやすくなる原因になります。
他にも、長時間の座り作業後、血糖値を調整するインスリンの働きが24%弱まるということもあります。長時間の作業が慢性的に続く場合、常に血糖値が高くなり、糖尿病になる可能性が高まります。
また、一日5時間以内のデスクワークの人とそれ以上の人では、後者の方が2倍心筋梗塞になりやすいそうです。一日中座っている人とたばこを吸っている人でリスクが同じという研究結果もあります。乳癌、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、肺癌も座ることによりリスクが高まるという報告があります。
これらの病気にはならなかったとしても、座っている時間が長いと血行が悪くなりむくみやすくなります。身体を温めると老けにくくなるといわれるほど、冷えは美容にも悪影響です。
予防方法はとにかく立つ&歩くこと!?
座っている時間を分割するためになるべく立ち上がって動き回るといいでしょう。例えば可能であれば20分おきにPCの前から離れ、数分間歩きます。
最近、米国の専門家たちの中には「立ち会議」「立ちオフィスワーク」を提唱している人たちもいます。フェイスブックやグーグルの従業員ではスタンディングデスクを希望する人も多いようです。
電車やバスでもなるべく座らないようにして、1日の座る時間を減らしましょう。エレベーターのかわりに階段を使うのもいいでしょう。また、オフィスでの座り仕事は避けられないとしても、せめて家でテレビを見たり、ネットサーフィンをしたりする時間を短縮しましょう。
デスクワークをしているとどうしても猫背になりがちになり、姿勢が悪いとお腹まわりに肉がつきやすくなります。背筋を伸ばすだけでも、腹筋や腰回りに力が入り背中も緊張感のある状態になるので、次第に上半身はすっきりしてきます。
よい姿勢とは、腰の骨を立てて90度の角度で座り、膝、腕はそれぞれ90度前後で曲げます。また、顎を引いて正面にディスプレイが来るように、高さと角度を整えるとよいでしょう。