米国のニュース番組でセンセーショナルなリポートが放映されました。座ることがジムでの運動を帳消しにしてしまうほど健康に悪いというのです。
1日1時間座ると寿命が22分縮まる!?
New York Times Magazinesによると、12万3千人の米国人を対象とした調査で、一日中座り仕事に従事する人は、15年後の死亡率が40%増加するといいます。
近代化が進み、PCがビジネスに欠かせなくなった今、人々が座る時間はますます増えています。欧州糖尿病協会が発行する月刊の医学誌でも、現代社会の座って行うデスクワーク、つまり「座る」行為が、糖尿病や循環器疾患のリスク、さらに死亡率の増加に関わっていると報告しています。
痩せている人は、肥満の人よりも1日2.25時間多く動き回っているという報告もあります。つまり、座り続けないで歩き回ることで痩せる効果もあるということです。
長時間のデスクワークで起こる病気とその症状は?
VDT症候群という病気を聞いたことがあるでしょうか。コンピュータのディスプレイなど表示機器(Visual Display Terminal:VDT)を使用した作業を長時間続けたために、目や体、心に支障をきたす病気のことです。
IT眼症とかテクノストレス眼症とも呼ばれ、現代病の一つと言えるでしょう。症状には以下のようなものが挙げられます。
1)目の症状……目が疲れる、眼の痛み、ドライアイ、充血、視力低下、目がかすむ、ぼやけて見えるなどの症状がみられます。
2)体の症状……首、腰、肩、腕の凝り、痛みなどが出ます。慢性化すると、背中の痛み、手指のしびれなどいろいろな症状に進展します。
3)心の症状……食欲減退、イライラ、不安感、抑うつ傾向などがみられます。
次に、肥満もデスクワークと大きく関係しています。座っていると筋肉内部の電気活動が低下し、代謝が劇的に悪くなります。また座っている間、脂肪を分解する酵素の働きが90%も低下するそうです。
その上、デスクワークの消費カロリーは1分あたりたった1kcalしかありません。成人女性の平均必要摂取カロリーはそれぞれ約1800kcalであることを考えても、6時間の事務作業ではたった360kcalしか消費できませんので、太りやすくなるのは間違いないでしょう。