内臓型冷え性に気づくには?
内臓型冷え性は、自覚しにくいのが特徴です。とくに「冷え性じゃない」と思っている人ほど見逃してしまいがち。以下のようなサインが当てはまる場合は、内臓型冷え性を疑ってみましょう。
・手足は温かいのにおなかや腰まわりを触ると冷たい
・疲れやすい
・胃腸の調子が悪いことが多い
・かぜを引きやすい
・生理周期が不安定
おへそのまわりを手で触り、手よりもおなかが冷たければ、内臓が冷えているサインです。早めにケアを取り入れましょう。
内臓を冷えから守る!今日からできるセルフケアを紹介
内臓型冷え性は、日常のちょっとした工夫で改善を目指すことができます。ここでは、誰でも今日からできる4つのセルフケアを紹介します。
1.内臓を冷やさない食事
日々の食事で内臓を冷やさないよう工夫をしましょう。
夏は冷たい飲み物やアイス、生野菜などを摂りがちですが、これらは胃腸を直接冷やす原因になります。できるだけ温かい食事を選び、スープや煮物などを取り入れるのがおすすめです。
また、冷たい麺類などを食べるときには、生姜、ねぎ、ミョウガといった香味野菜を薬味にするのも効果的です。これらの野菜にはからだを温める作用があり、冷え対策につながります。
水分補給は冷たい飲み物をたくさん飲むのは避け、常温や温かい飲み物がおすすめです。日々の食事を工夫して、からだの内側から温めましょう。
2.からだを冷やさない服装
からだを冷やさない服装を心がけることも大切です。冷房対策としてカーディガンやストール、腹巻きなどを活用しましょう。
おなかや腰まわりを冷やさないようにすることで、冷えによる血流悪化を防ぐことにつながります。ただし、手足は熱がこもりやすいため、通気性のよい素材の服を選ぶのがおすすめです。
3.入浴でからだを温める
夏はシャワーだけで済ませがちという人もいるかもしれませんが、シャワーではからだの深部までなかなか温まりません。内臓型冷え性の改善には、湯船に浸かる習慣が効果的です。
38〜39度のぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かることで、血行が促進され、温まった血液が全身を巡り、内臓までしっかり温められます。入浴にはリラックス効果もあるため、ストレスによる自律神経の乱れにも効果的です。
また、お風呂上がりは冷房の風を避けてからだを冷やさないようにしましょう。
4.ストレッチで血流促進
ストレッチは筋肉をほぐし、血流を促進する効果があります。とくに、運動不足やデスクワークが多い人は、筋肉が固まりやすく、血流が滞って冷えの原因になりがちです。朝や夕方など比較的涼しい時間に、軽いウォーキングやストレッチを取り入れてみましょう。
「暑くて外での運動は避けたい」という場合には、室内でできるヨガやピラティスもおすすめです。おなかや腰まわりの筋肉を動かすストレッチを意識的に取り入れることで、内臓の血流もアップし、内臓型冷え性の改善が期待できます。毎日の習慣に取り入れて、冷えにくいからだづくりを目指しましょう。
5.内臓型冷え性には漢方薬もおすすめ
内臓型冷え性には、漢方薬の活用もおすすめです。漢方薬では、不調の根本にアプローチして症状の改善を目指します。毎日飲むだけでいいため、忙しくて食事やストレッチなどの生活習慣を工夫するのが難しい場合にも取り入れやすいでしょう。
内臓型冷え性では「胃腸の働きを高める」「自律神経の乱れを調整する」「血流をよくして全身の熱のバランスを整える」などの働きがある漢方薬が用いられます。
<内臓型冷え性におすすめの漢方薬>
・六君子湯(りっくんしとう)
からだに不足したエネルギーを補い、胃腸の消化吸収機能を高めて、内臓や手足の冷え、貧血、胃痛、胃炎、胃もたれ、食欲不振などに用いられる漢方薬です。疲れやすく、胃腸が弱い人におすすめです。
・温経湯(うんけいとう)
血流を促し全身に栄養を行きわたらせることで、からだの熱バランスを整えて足腰の冷えなどに働きかける漢方薬です。冷え症で手足のほてりが気になる人におすすめです。
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スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
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内臓の冷えは気づきにくいものですが、放っておくとさまざまな不調につながります。大切なのは、自分のからだの声に耳を傾け、冷えに「気づく」ことです。
温かい食事や入浴、ストレッチなど、できることから少しずつ取り入れて、内臓を温める生活習慣を意識してみましょう。冷えに負けない、内側から元気なからだを目指して、ぜひ実践してみてください。
<参考文献>
※1 伊藤剛「冷え症と自律神経」
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

























