気分のムラの背後に病気が隠れているかも!?

一時的な気分のムラであれば心配はいりませんが、日常生活に支障をきたすほど感情の起伏が激しい、気分の落ち込みが長引く場合は、うつ病や適応障害といった心の病気が隠れている可能性もあります。次のような症状が続いている場合は、早めに精神科や心療内科を受診しましょう。

・朝起きられない
・頭痛や肩こりがある
・めまいや動悸がする
・食欲が落ちた
・自分を責める気持ちが強い
・涙もろくなった
・落ち着きがなくなった
・何をしても楽しめない

うつ病以外にも、更年期障害や自律神経失調症などによって気分のムラが起こっている可能性もあります。早めの相談・受診は、回復への第一歩です。気分のムラが激しく悩んでいるなら、一度専門家に相談しましょう。(※2)

毎日穏やかに過ごすために!日常生活でできるセルフケア4選

気分のムラには自律神経が深く関係しているため、自律神経を整えることで改善できる可能性があります。日常生活でできるセルフケアを紹介します。

1.朝日を浴びて生活リズムを整える

朝起きたら、まずカーテンを開けて日光を浴びましょう。太陽の光には体内時計をリセットするとともに、セロトニンの分泌を促す働きがあります。日中にセロトニンが十分に分泌されることで、気分の安定につながります。

また、セロトニンは自然な眠りを促す睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になるため、セロトニンの分泌量が増えれば、メラトニンの分泌量も増えて質の高い睡眠を得やすくなるのです。

曇りの日や朝日が部屋に入らない場合でも、部屋の明かりをつけたり窓の近くで過ごしたりするだけで効果が期待できます。

2.軽い有酸素運動を行う

ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなどの有酸素運動は、自律神経を整えるだけでなく、セロトニンやβ-エンドルフィンの分泌を促進します。これにより、心地よい気分や幸福感が得やすくなります。

運動が苦手な人は、1日10分の散歩から始めるだけでもOKです。無理なく続けることがポイントです。

3.呼吸法を取り入れる

呼吸は自律神経と直結しており、意識的に深呼吸や腹式呼吸をすると、副交感神経が活性化し、リラックス効果を得られます。

腹式呼吸のやり方は以下のとおりです。

<簡単な腹式呼吸の方法>
1.椅子に座って背筋を伸ばす
2.おなかが膨らむのを感じながら、鼻からゆっくり息を吸う
3.おなかがへこむのを感じながら、口からゆっくり息を吐く

これを5〜10分程度繰り返します。座っているとおなかの動きがわからないという場合は、寝転んでするのがおすすめです。就寝前などの、リラックスできるタイミングで行ってみましょう。

4.ジャーナリングを取り入れる

「ジャーナリング」とは、頭に浮かんだことをそのまま紙に書き出す「書く瞑想」のことです。

頭のなかにある漠然とした不安や悲しみなどの感情や考えを書き出して言葉にすることで、気持ちを整理し、ストレスの軽減や自己理解を深める効果があります。

「とにかく書くこと」が大切なので、誤字脱字や文法などにとらわれず、自分の本音を吐き出してみてください。書き出した内容を後から見返すと、感情を客観視でき、気持ちのコントロールもしやすくなります。

気分のムラには漢方薬もおすすめ

セルフケアだけでは気分のムラがよくならないと悩む人におすすめなのが、不調の根本にアプローチして心とからだ全体のバランスを整える漢方薬です。漢方薬は飲むだけでいいため、セルフケアをする時間がない場合にも続けやすいでしょう。

気分のムラには「からだにこもった熱を冷ます」「精神の緊張を緩める」「自律神経の乱れを整える」などの働きがある漢方薬を選びます。

<気分のムラにおすすめの漢方薬>

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
上半身にたまった熱を冷ますことで、ホットフラッシュのほか、気分の落ち込みやイライラなどの精神的な症状にも用いられます。疲れやすくイライラしやすい人におすすめです。

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
エネルギーの流れをよくして精神を安定させることで、ストレスや気分の落ち込みを軽減します。精神が高ぶり緊張している人におすすめです。

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スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

自分のリズムに寄り添うセルフケアを

気分のムラは、ストレスや自律神経の乱れ、ホルモンバランス、生活習慣などさまざまな要因が絡み合って生じるものです。病気が隠れていることもあるため、無理をせず、からだや心のサインに耳を傾けてあげることが大切です。

朝日を浴びる、軽くからだを動かす、漢方薬を活用するなど、日常生活のなかで無理なくできるセルフケアを少しずつ取り入れてみましょう。

<参考文献>
※1 大坪天平「女性特有のうつについて―月経関連障害と更年期障害について―」
※2 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所こころの情報サイト「うつ病」

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師:山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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