油選びの前に知っておくべき6つのポイント

油にもそれぞれ、長所と短所があります。耳を塞ぎたくなるような怖い“ウワサ”も多々あります。その中でも、覚えておきたいのは…?

1)買う前から痛んでいる!? 製法の落とし穴
一般的な植物油のほとんどは、石油系溶剤を使って化学的に油を抽出・精製して作られます。石油系溶剤の安全性はもとより、これらの油は製造過程で何度も200℃以上の加熱処理が行われるため、購入時にはすでに「油が傷んで」おり、「健康へのリスクが高くなる」とも言われています。

2)植物性油脂に含まれる「リノール酸」のとり過ぎに注意
油には「リノール酸」という脂肪酸が含まれています。体に不可欠な栄養素なのですが、“摂り過ぎ”による健康への悪影響が指摘され、「摂取を減らすべきだ」との声多数。
植物油の中で、その含有量が多い油はズバリ、「紅花油(サフラワー油)」「グレープシードオイル」「ひまわり油」「コーン油」「綿実油」「大豆油」「ごま油」。
リノール酸はパンやお菓子、マヨネーズやドレッシングなどにも多く含まれているので、加工食品や外食の多い家庭は、これらの油や「植物性油脂」を極力避けた方がよいと思われます。

3)なるべく避けたい「遺伝子組み換え」
油に使われる菜種や大豆は、“国産”と表示されていない限りは輸入物です。そして、そのほとんどが「遺伝子組み換え」。油に限らず、すでに身近な加工食品に広く使われている遺伝子組み換え原料。菜種・大豆・コーン・綿実…。要注意。

4)“毒性物質”が含まれている?
「菜種油」(キャノーラ油)に微量に含まれる毒性物質の危険性が指摘されています。あまり知られてはいませんが、「オリーブ油」にも、動物実験で発がん促進作用や寿命を短縮する作用を示したデータが報告されています。健康によいと言われる油も、やはり摂り過ぎには気をつけるべきかと…。

5)消費量増加による環境への影響
加工食品の原料としてよく見かける「植物性油脂」(パーム油)は、世界的に消費量が増える中、森林伐採による環境への影響が懸念されます。安くて重宝な油ですが、油自体にも、トランス脂肪酸の混入や添加されている酸化防止剤の発がん性など、グレー視されている側面が。

6)油に“健康効果”は必要?
さまざまな健康効果をうたった油が市販されていますが、そもそも油に「その健康効果は必要か?」…疑問の声も。
油を選ぶ際には、他の食品同様に、何を原料に、どのように作られているのかに注目すべきかと思います。こだわるなら、昔ながらの圧搾法で作られた「低温圧搾」「一番搾り」などと書かれた加工度の低いもの、そして「国産」を。よい油を数種類用意して、使い分けるのがよさそうです。

価格の安さは安全性に跳ね返ってくることが多いもの。物価が上がり、何かとやりくりが大変な今日このごろですが…、できる範囲で健康にいいものを選びたいですね。

【参考】
・『そのサラダ油が脳と体を壊してる』山嶋哲盛/ダイナミックセラーズ出版
・『本当は危ない植物油』奥山治美/角川書店
・『ココナッツオイル健康法』ブルース・ファイフ/WAVE出版
・『「酵素」の謎』鶴見隆史/祥伝社新書
農林水産省 すぐにわかるトランス脂肪酸

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。