炒め物、揚げ物に適した油は?
では、加熱料理に使うならどの油?
おすすめは、次のようになります。比較的「酸化しにくい」と言われる油です。
◆炒め物……「オリーブ油」「ピーナッツ油」「バター」「ココナッツオイル」
「オリーブ油」「ピーナッツ油」はオレイン酸の含有量が多く、抗酸化作用が強いと言われています。「バター」や、最近人気の「ココナッツオイル」は、飽和脂肪酸の含有量が多いため、安定性が高いという特長があります。
但し、高温で炒める場合、5分程度で2時間揚げ物をしたのと同じくらい油が傷むとも言われているため、基本的にどの油も、強火でがんがん炒めるのはNGです。
途中で水分を加えるなどして、温度が上がりすぎないように注意してください。
◆揚げ物……「米ぬか油(玄米油)」「ごま油」「ラード」
『そのサラダ油が脳と体を壊してる』の著者・山嶋哲盛氏は、フライなら「米ぬか油」、天ぷらなら「ごま油」、と奨めています。「米ぬか油」にはビタミンEやγオリザノール、「ごま油」にもセサミンなど抗酸化作用の強い物質が含まれているため、酸化しにくいとか。
日本脂質栄養学会・奥山治美氏のおすすめは「ラード」。ラードが頻繁に使われていたひと昔前の沖縄県には長寿の人が多かった、という事実があります。フライや中華料理などにぜひ。
揚げ物の加熱時間は、できるだけ短時間で済ませたいところ。一度にたくさん入れず、適温を保つのがポイントです。油の中に不純物が混ざることでも酸化が早まるため、揚げかすはこまめに取り除くことをお勧めします。
200 ℃以上に要注意!
さて、ここで注意したいのが、どの油も「高温(200℃以上)での長時間加熱は禁物」だということ。油は「温度が10℃上がるごとに2倍の速さで酸化する」と言われます。また、加熱時間が長くなるにつれ、油に含まれる「リノール酸」という脂質が酸化し、神経細胞に有害な物質が増えることに…。
また、加熱により、活性酸素を除去する「酵素」が失われるとともに、「AGE」という老化物質も増えてしまいます。やはり、カラダのことを考えるなら、油たっぷりの揚げ物は控えた方がよさそうです。