使い道を一緒に考えてみる

実際のところ、大人でもボーナスがでればその一部は散財してしまうはずです。
散財というと言葉は悪い言葉のようですが、ボーナスまでガマンして念願の○○を買う、ということは誰でもやっていることではないでしょうか。
仕事をがんばったご褒美というのはとても大事なことです。

「お金を使うと満足が得られる」、ということは学ばなければならないお金のルールです。

だとしたら子どものお年玉にも同じ経験をさせることがお金の勉強になります。ぜひ「お年玉の使い道」を子どもと一緒に考え、上手に導いてみましょう。

ファイナンシャルプランナーは「ニーズ」と「ウォンツ」つまり「必要」かどうかと「欲しい」という気持ちのバランスを考えながら消費を意識するようにアドバイスします。

子どもと話し合いながら「欲しいものリスト」や「必要なものリスト」を作ってみましょう。お年玉に関しては「欲しいもの」のほうをやや優先してもいいでしょう。

このとき、親があまり決めつけず、できるだけ子ども自身に考えさせることが大切です。子どもの年齢に応じて自分で考えさせる度合いを調節していくといいでしょう。
 

一部は“自由に使わせる”ことが大切

親からすれば、子どもが買い物で失敗する、という経験はさせたくないと思いますから、子どもが無邪気に希望してきた「欲しいモノ」を否定しまいがちです。
これも金銭教育上よくありません。
自分で考えさせていないからです。

しかし「それはすぐ飽きちゃうからやめなさい」とアドバイスをしてしまうことは避けるべきです。お年玉の一部は自由に使わせることが大切だと思います。
「買い物の失敗」もまた金銭教育として重要だと考えてみてください。

私たちも買い物では失敗をたくさんします(特に「服」! お店ではあんなに似合うと思ったのに家に帰るとなぜクローゼットの肥やしになってしまうのでしょうか)。
しかし、そうした失敗を経験しなければ失敗を減らすことはできないでしょう。

欲しいものを子どもが自分なりに考え、もし買い物に失敗したと思ったら、なぜ失敗したのか少しだけ話し合ってみるといいでしょうね。
あまり追求して責める必要はないので、「次はもっとじっくり考えて買おう」「同じ買うならずっと満足できるものを買いたいね」とアドバイスしてあげてください。

 

お年玉やおこづかいは絶好の金銭教育素材です。年に一度のチャンスをぜひ子どもとお金について一緒に考える機会としてみてください。

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会