「サイドFIRE」状態になった後の働き方は?

実は、筆者はサイドFIREを達成してから今年で2年目となります。

もちろん、このコラム執筆を始めとした各種の仕事は継続しておりますが、働き方はここ4年間で以下のように変化しました。

地方公務員

民間企業のサラリーマン+副業としてファイナンシャル・プランナーおよびキャリアコンサルタント

個人事業主として完全に独立、サイドFIRE達成

この間に、筆者の生活で最も大きく変化したものは「労働時間」です。

現在は自分自身で作り上げた仕事(個人のカウンセリングや家計相談対応、投資セミナー登壇、「家計と投資の勉強会」運営など)にくわえて、日本中の企業・官公庁から依頼される業務をこなしていますが、週の労働時間は多いときでも30時間程度、少ないときは15時間程度のときもあります。

月の収入額は公務員時代にはいまだにおよびませんが、ゆとりを持って家族との時間を過ごせるようになりました。

また、自分が心から行いたかった業務を自分で選んで実施できるという点も、大きな満足に繋がっています。

各種の投資は現役時代から継続しており、今のところは資産を取り崩すことなく、安定的に資産形成をしつつ生活ができています。

今後どのような生活をしていくかは未定ですが、現在の状態は私にとって非常に心地よいものなので、できる限り長く「サイドFIRE」を続けていきたいと考えています。

サイドFIREを目指すなら、綿密なシミュレーションをしてみよう

とはいえ、筆者はこのコラムの読者全員に「サイドFIRE」という生き方をおすすめしたいわけではありません。なぜかというと、それぞれが持つ価値観や置かれた状況が異なるからです。

特に、現在の仕事に楽しく取り組めており、かつ生活全体に満足できている人であれば、どのような形でもFIREをする必要は全くないと思います。そのような人は、現在の仕事から人生の喜びを得られているでしょうから、仕事を辞める必要も感じないでしょう。

一方、すでにある程度の資産を持っており、今の職場や仕事内容に大きな不満があるが、働くことはまだ止めたくない。という状況であれば、サイドFIREは有力な選択肢の一つです。ただし、サイドFIREに踏み切る前には綿密なシミュレーションを行うことを強くおすすめします。

筆者の場合は5年ほど前に、サラリーマンとしてこのまま働いていたのでは、自分の行いたい活動ができるようにはならないと気が付き、転職を目指して行動し始めました。

その後、キャリアコンサルタントとファイナンシャル・プランナーの資格を取得して転職し、さらにファイナンシャル・プランナーの知識を活用して自分の資産状況から将来のライフプランをシミュレーションしました。

その結果、充分にサイドFIREが可能だと判断できたため、独立とサイドFIREに踏み切ったという経緯があります。

この時のシミュレーションは、自分が85歳到達時点までにおける世帯全体の予想収入額や予想支出額を可能な限り詳細に計算し、毎年のインフレ率などもシビアに調整して行いました。

また、サイドFIRE後も年に1回はシミュレーションの見直しを行っており、自分の現時点の状況を把握しています。

FIREやサイドFIREは、これまでの生活様式を一変させる大きな決断です。実際に行う前にはしっかりとシミュレーションをした上で、実施後の定期的な状況チェックも必須と言えるでしょう。

サイドFIREのスタイルは、完全に仕事を引退するわけではないので、想定外のインフレ進行などで計画が狂ってしまった場合でも修正が比較的容易であり、その面でも本格的FIREよりは実現しやすいです。

もしも早期退職に興味があるのであれば、お近くのファイナンシャル・プランナーなどに相談の上、綿密な長期ライフプランを作成するところから始めてみてください。

【執筆者プロフィール】

山田 圭佑(KYお金と仕事の相談所 所長)

キッズ・マネー・ステーション認定講師、国家資格キャリアコンサルタント、ファイナンシャルプランナー技能士2級・AFP、琉球古典音楽 野村流伝統音楽協会 歌三線 師範、八重山古典民謡保存会 歌三線 教師

東京都出身。大学入学と同時に沖縄県へ移住。大学卒業後、沖縄県庁にて18年間奉職した後にキャリアチェンジ。現在はフリーランスのキャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー・歌三線師範として幅広く活動。2022年7月に「KYお金と仕事の相談所」を開設。所長を務めている。

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。公式サイト「キッズ・マネー・ステーション