2026年度は夏と冬に展示替え 岡崎乾二郎の展示、サニタス・プラディッタスニーの屋外設置など ―夏の展示替えは2026年6月7日より一般公開―

直島新美術館(館長:三木あき子)は、「循環・回帰・再生」を2026年度のシーズン・テーマとして、一部展示替えを行います。夏には岡崎乾二郎の作品展示、サニタス・プラディッタスニーの屋外作品設置、さらには下道基行の「瀬戸内「   」資料館」プロジェクトのサテライト展示として、緑川洋一の写真を展示します。また冬には、今津景+バグース・パンデガの展覧会を予定しています。

サニタス・プラディッタスニー《Garden of Silence》2023年 写真 : Wanchai Phutthawarin 


岡崎乾二郎《The hunger of the mind is easier to satisfy than that of the body. As you wander th streets, you are surrounded by buildings- modest yet appealing from the outside, and adequately furnished within. You may encounter polite, well-dressed individuals who tactfully avert their gaze. The sound of rain blended with their splashing, and a long-drawn sigh seemed to float above the overturned skiff- the endless, labouring sigh of earth. Embracing her knees with hands, resting chin upon them, on the pale patch of her face they seemed immense, because of blue marks below them. The rain fell in thin, cold threads, each drop tracing its path down my skin. Her breath, warm and alive, brushed my cheek. The wind rose wild, untamed, howling as if a creature in pain, while waves surged and broke against the skiff, restless at sea. 2024》写真:中川周

2026年6月7日(日)公開の展示について

サニタス・プラディッタスニーの《ザ・サウンド・オブ・ナオシマ》が、周囲の自然に溶け込むかのように屋外に設置されます。「直島八十八箇所」に敬意を抱き、禅の公案である「隻手の声―片手で鳴らす音を心耳をもって聞く」という経験を通じてのみ理解できるマインドフルネスの状態から着想し、タイの伝統的な技法や直島にあった素材を組み合わせた、瞑想体験に誘うストゥ―パ(仏塔)を中心に構成されます。
岡崎乾二郎「端しき、ことの葉」展は、1990年代より継続的に直島で展示を行ってきた作家の近年の最新作を含むベネッセアートサイト直島所蔵の作品群を中心に構成されます。「岡崎乾二郎と直島」という時間軸、「言葉と絵画の関係」、そして「回帰」などをキーワードに、直島との関係で生まれた作品を含む時代の異なる作品を通して、日常の小さな断片がつながり、記憶を呼び起こし新しい認識を開いていく可能性について考察します。
また、今回の下道基行の「瀬戸内「   」資料館」プロジェクトのサテライト展示では、1930年代から2000年代初頭にかけて瀬戸内を撮影した岡山の写真家・緑川洋一による、直島の製錬所で働く人々の逞しい姿を記録した1950年代の写真群を紹介します。

作家について


Photo by Peeraphat Kittisuwat
サニタス・プラディッタスニー1980年バンコク(タイ)生まれ、同地を拠点に活動。現代アート制作のほか、ランドスケープ・アーキテクチャー・デザインも手掛ける。信仰や宗教に関連する建築の中の形、質感、空虚な空間に興味を持ち、鑑賞者との相互作用を促すような建築・彫刻的作品で知られる。「アートは人々の意識を刺激するコミュニケーションの一形態である」という信念のもと、空間の文脈や素材の意味を深く研究し、仏教の「無常と空虚」の原則を反映した作品は、深い内省のための空間を提供し、鑑賞者が自分の内面と再びつながることを促す。バンコク・アート・ビエンナーレ(2018年)、タイランド・ビエンナーレ(2024年)等に参加。





Photo by 鈴木理策
岡崎 乾二郎1955年東京都生まれ。アーティスト、評論家。 絵画、彫刻、風景、建築などの作品を手がける。1982年パリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品。総合地域づくりプロジェクト「灰塚アースワーク・プロジェクト」の企画制作、「なかつくに公園」(広島県庄原市)等のランドスケープデザイン、「ヴェネツィア・ビエンナーレ第8回建築展」(日本館ディレクター)、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーション公演「I love my robots」など、つねに先鋭的な芸術活動を展開してきた。豊田市美術館、東京都現代美術館ほかで個展・企画展を多数開催。2026年、第67回毎日芸術賞(美術I部門 (絵画・彫刻・工芸・グラフィック))受賞。批評活動でも高い評価を受け、芸術選奨文部科学大臣賞、毎日出版文化賞受賞。



「瀬戸内「   」資料館 」プロジェクトのサテライト展示も、2026年6月7日から同時スタート
下道基行「瀬戸内「   」資料館」プロジェクトは、瀬戸内海地域の景観、風土、民俗、歴史などの調査、収集、展示を通してアーカイブ空間を創出するもので、2019年に宮浦ギャラリー六区を拠点に開始し、現在も継続中です。今回は、同館にて2019年に下道が企画した、1930年代から2000年代初頭にかけて瀬戸内を撮影した岡山の写真家・緑川洋一の写真・資料展示より、1950年代の直島の製錬所で働く人々の姿を捉えた写真展示を再構成して紹介します。緑川の写真には美しい瀬戸内の風景だけでなく、急速な近代化で傷ついた島々や、厳しい環境でも逞しく生きる人々が映されています。

次回冬の新展示について(日程は確定次第発表)

今津景+バグース・パンデガの「Currents without Anchors(錨なき流れ)」展は、海をめぐる資源の移動、欲望の拡張、そしてそれにともなう災害と記憶を、「流れ(current)」「浄化と保存」「破壊と再生」といった概念を通して可視化を試みます。過去・現在・未来や神話と史実が交差、重なり合い、海中や森林を想起させる空間は、波のように変化する光、大量の流木や大画面の絵画、3Dプリンターによる壁面彫刻など多様な作品群と自然の素材がつながり、呼吸をする「巨大な生命体」のようであり、鑑賞者はそのなかで、私たちが生きる環境や世界の状態についての深い思索に誘われます。

展示風景「Kei Imazu: The Sea is Barely Wrinkled」Museum MACAN(ジャカルタ)2025年、Photo courtesy Liandro Siringoringo. 

バグース・パンデガ《Anim Wraksa》2025年、Photo: Daniel Perez, courtesy of Swiss Institute 



今津 景 1980年山口県生まれ。バンドン(インドネシア)を拠点に活動。インターネット時代の膨大な画像アーカイブを掘り起こし、断片化したデジタル空間を考古学的に再構成する。リサーチを基盤に3Dレンダリングやデジタルスケッチを用いて下絵を組み立て、CGIやUnreal Engine、3Dプリントも導入しつつ、直感と身体感覚に根ざした絵画を展開。2018年のインドネシア移住以降は、群島部の神話・口承と多層的な植民地史、日本の戦時関与を層状の領域として扱い、近年は東京オペラシティアートギャラリーやMuseum MACANでの個展を通じて、映像・彫刻・没入型インスタレーションへと表現を拡張している。
バグース・パンデガ 1985年ジャカルタ(インドネシア)生まれ。バンドン(インドネシア)を拠点に活動。16世紀の香辛料交易からパーム油、電池用ニッケルに至るまで、資源抽出の歴史と現在を主題とし、DIY/ハッカー的手法で身近なテクノロジーや植物、希土類鉱物、楽器を組み合わせた装置を制作する。人の気配など超局所的な環境変化に応答し、音や運動を生む機械や化学反応を作動させるインスタレーションを発表。バンドン工科大学で修士号を取得。近年はクンスターレ・バーゼルやスイス・インスティチュートで個展を開催し、活躍の場を広げている。




以下の作家の作品は冬の展示替えまで継続展示いたします。
N・S・ハルシャ(多目的カフェスペース「&CAFE」:1階)
マルタ・アティエンサ、ヘリ・ドノ、ヘリ・ドノ&インディゲリラ、パナパン・ヨドマニー(ギャラリー1:1階)
ソ・ドホ(ギャラリー2:地下1階)
村上隆、会田誠(ギャラリー3:地下2階)
蔡國強(ギャラリー4:地下2階)
※今後、展示アーティストは変更になる可能性がございます。
パブリック・プログラムについて
展覧会の企画・展示とともに、パブリック・プログラム等を通して、人々が繰り返し訪れ、島内外の多種多様な人々が出会う交流・連携の場となることも目指す直島新美術館では、2026年も様々なプログラムを予定しています。詳細は次回のリリースで発表します。なお、今後2026年4月に予定している各種プログラムは以下の通りです。
※お申込み方法について:内容により異なります。詳しくは直島新美術館へお問い合わせください。
※毎週水曜日に実施しておりましたギャラリーツアーは展示替え準備に伴い、しばらくの間休止します。

●トーク 時代のリアリティ―写真で振り返る日本現代史
講師に歴史書編集者の原氏をお迎えし、日本の戦前から現在までの流れを数多くの写真資料で振り返り、展示作品の背景にある時代のリアリティに迫ります。
日時:4月10日(金) 16:30~18:45(講義70分、質疑応答30分、交流会30分)予定
会場:直島新美術館 多目的カフェスペース「&CAFE」
登壇者:原真喜夫氏(「ザ・クロニクル:戦後日本の70年」編集者)
参加費:無料
定員:50名(予約制、先着順)
詳細はこちら

●ワークショップ《瀬戸内「漂泊 家族」写真館》出張写真スタジオ in 直島新美術館 
アーティスト下道基行による直島諸島の漂着物で作られたカメラを用いた町民限定の写真スタジオが宮ノ浦から本村に出張します。写真の被写体になる体験に加え、漂着物カメラ内部の仕組みを学んだり、撮影をしたり、暗室内での現像の見学もできます。
日時:4月11日(土)10:30~ 30分毎に全8枠
会場:直島新美術館エントランス外
参加費:無料(直島町民限定)
定員:8組(予約制、先着順)
詳細はこちら


●トーク・パフォーマンス・ワークショップ スペシャル「ヘリ・ドノ」デー [日本語通訳あり]
インドネシアのアーティスト、ヘリ・ドノと、大阪を拠点にワヤンを日本国内に広める活動を行っているマギカマメジカのメンバーである西田有里氏が、現在展示中の大型絵画作品《ヘリ・ドノ論の冒険旅行》について語り合います。絵画に描かれた様々な過去の作品やモチーフだけでなく、インドネシアの現代史や文化について理解を深める機会になります。その他、インドネシアの伝統的な影絵芝居「ワヤン・クリ」のパフォーマンスやワークショップを実施します。
日時:4月26日(日)
13:00~14:30 ワークショップ、15:00~15:30 パフォーマンス、16:00~17:00 トーク(予定)
会場:直島新美術館 ギャラリー1(パフォーマンス、トーク)、
多目的カフェスペース「&CAFE」(ワークショップ)
登壇者:ヘリ・ドノ(アーティスト)、マギカマメジカ
参加費:無料
詳細はこちら

展示替えに伴う休館
2026年5月18日(月)~6月6日(土)は直島新美術館全エリア(&CAFE含む)が臨時休館となります。

基本情報
直島新美術館(香川県香川郡直島町 3299-73) 開館時間:10:00 ~ 16:30( 最終入館16:00 )
一般問合わせ先:info-newmuseum@fukutake-artmuseum.jp
休館日:月曜日(ただし、祝日の場合開館、翌日休館)※不定休あり。ベネッセアートサイト直島ウェブサイト開館カレンダーにて随時更新。
駐車場:一般車両(20台)、自転車(15台程度) いずれも無料
施設URL:https://benesse-artsite.jp/art/nnmoa.html

チケット
鑑賞料金:オンライン購入(日にち指定) 1,500円/窓口購入 1,700円/15歳以下無料
新展示をご鑑賞いただける6月7日(日)以降のオンラインチケットは2026年4月10日(金)10時より発売
チケット販売:ベネッセアートサイト直島 美術館予約サイトにて


ベネッセアートサイト直島とは
「ベネッセアートサイト直島」は、直島・豊島(香川県)、犬島(岡山県)を舞台に株式会社ベネッセコーポレーションと公益財団法人 福武財団が展開しているアート活動の総称です。
瀬戸内海の風景の中、ひとつの場所に、時間をかけてアートをつくりあげていくこと――各島の自然や、 地域固有の文化の中に、現代アートや建築を置くことによって、どこにもない特別な場所を生み出していくことが「ベネッセアートサイト直島」の基本方針です。 各島でのアート作品との出合い、日本の原風景ともいえる瀬戸内の風景や地域の人々と触れ合いを通して、 訪れてくださる方がベネッセコーポレーションの企業理念である「ベネッセ―よく生きる」とは何かについて考えてくださることを目指しています。
そして、活動を継続することによって地域の環境・文化・経済すべての面において社会貢献できるよう、 現代アートとそれを包括する場である地域がともに成長し続ける関係を築いていきたいと考えています。

■ベネッセアートサイト直島の歴史について
参照URL:https://benesse-artsite.jp/about/history.html

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