「スイミングスクールに、受け入れてもらえませんでした。」
──そんな一本の相談から始まった水泳教室「いるかきょうしつ」(運営:一般社団法人miraii/名古屋市)は、2026年4月より、障がいのある子どもたちに寄り添える水泳指導者を育てる取り組みを、本格的にスタートします。
本事業は、公益財団法人小林製薬青い鳥財団、および公益財団法人住友生命健康財団の助成のもと、複数年にわたって段階的に進めていくものです。

場所を広げることと同じくらい、"関われる人"を増やすこと。
いま私たちが取り組むべきはそこにある、と考えています。
■ 「うちでは受け入れできません」── そう言われた子どもたちがいる
水泳は、体の使い方を覚えるだけでなく、自信や社会性を育ててくれるスポーツだと言われます。
けれど、その入り口にさえ立てない子どもたちが、確かにいます。
重い障がいのある子。
医療的ケアを必要とする子。
じっとしていることが苦手な子。
こだわりが強く、指示がうまく伝わらない子。
診断こそつかないけれど、集団のなかでそっと困っている、いわゆる"グレーゾーン"の子。
そして、いつも家族のケアの傍らで自分の時間を後回しにしがちな、きょうだい児たち。
──そうした子どもたちが、近所のスイミングスクールで「うちでは受け入れできません」と言われてしまうことは、決してめずらしいことではありません。
それでも水に親しみたい、泳げるようになりたい、プールで笑いたい。
そう願う子どもと保護者が、行き場を失っている現実があります。
仮に受け入れられたとしても、接し方が分からないまま、大きな声で叱責されたり、力で抑え込まれたり、ということが起きてしまうこともあります。
指導する側が悪意を持っているわけではありません。
どう関わればよいか、学ぶ機会そのものが、まだ社会に十分に整っていないのです。
そして、私たちが現場に立ち続けるなかで、もう一つ強く感じてきたことがあります。
──本当はもっと伸びるはずだった子どもの力が、周りの大人の理解や環境の不足によって、まだ十分に引き出されていない、ということです。
「この子には難しい」と早いうちに線を引かれてしまえば、その子が本当はどこまで行けたのか、誰にも分からないまま時間が過ぎていきます。
それは、その子にとっても、その家族にとっても、そしてこの社会にとっても、静かで、とても大きな損失だと感じています。
受け入れ先の不足だけではなく、ひとりひとりの子どもが本来持っている可能性を、丁寧に引き出せる大人をどう増やしていくか。
私たちが向き合っているのは、そこまで含めた課題なのだと思っています。

■ たった一人のコーチから始まった教室
いるかきょうしつの原点は、2022年の夏にさかのぼります。
スイミングスクールから受け入れを断られた障がいのある一人の子どもを、一人のコーチが「じゃあ、うちで見ますよ」と引き受けたこと。
最初は本当に、それだけでした。
けれどその話が口コミで広がり、「実はうちの子も…」という相談が少しずつ寄せられるようになりました。
知的障がいのある子、自閉症の子、身体に麻痺のある子、小児慢性特定疾患を抱える子、そのきょうだい児。
気がつけば、個人の善意だけでは抱えきれない人数になっていました。
このまま一人で続けていては、いつか限界が来る。
子どもたちを、途中で放り出すわけにはいかない。
そうして2025年4月、一般社団法人miraiiのもと、「いるかきょうしつ」を正式な事業として立ち上げました。
今では、数十名の子どもたちが、毎週のように通ってくれています。
■ 水の中でだけ、見えてくる景色がある
いるかきょうしつでは、体罰や叱責に頼らない指導を大切にしています。
時間がかかっても、その子がいま何を感じているかを見て、その子のペースで水と出会えるように関わる。
そう続けてきた結果、私たちは、たくさんの"小さな奇跡"に立ち会ってきました。
脳性麻痺で下肢に麻痺のある子が、水中活動を続けるなかで、陸の上でも歩いたり、ジャンプしたりできるようになったこと。
重度の知的障がいと自閉症のある子が、プールを通じて排泄のコントロールができるようになり、泳ぎも少しずつ身につけていったこと。
水を怖がって泣いていた子が、半年後にはバタ足で笑っていたこと。
どれも派手な話ではありません。
でも、その子にとっては、世界が少し変わる出来事です。

そして、隣で見ている保護者にとっても──それは長いあいだ諦めかけていた「できた」という瞬間です。
■ 一つの教室だけでは、支えきれない
続けるなかで、私たちは別のもどかしさにも直面してきました。
「もっと近くに、こういう教室はないんですか」
「遠方から通っているんです」
「きょうだいのケアもあって、毎週は難しくて」
そんな声をいただくたびに、申し訳なさと、焦りのような気持ちが残ります。
いるかきょうしつに通える子は、今も、そしてこれからも、全体から見ればごく一部です。
名古屋以外に住む子どもたちにとっては、そもそも選択肢にもなりません。
本当に必要なのは、いるかきょうしつのような教室をもう一つ作ることだけではなく、"関われる人"が、もっと多くの場所にいることなのではないか。
そのことに、何度もぶつかってきました。
場所だけ増えても、中で関わる人が育っていなければ、以前と同じことが繰り返されてしまう。
だからこそ、時間をかけてでも、子どもの特性に寄り添える指導者を、現場とともに育てていく必要がある。
私たちがこの育成事業に踏み出す理由は、そこにあります。
■ "関われる人"を育てる、これからの取り組み
2026年4月から始まる本事業は、一度きりの研修ではなく、複数年にわたって段階的に続けていく育成プログラムです。
障がいや病気のある子どもたちへの理解、保護者との関わり方、水中での介助、緊急時の対応
──そうした学びを、座学や実技だけでなく、実際のいるかきょうしつの現場に入りながら、時間をかけて積み上げていきます。
経験のある指導者と一緒にプールサイドに立ち、子どもと関わり、その日の出来事を一緒に振り返る。
失敗しても、分からなくても大丈夫。
「最初から上手な人」はいないから、そのことを前提にした学びの場をつくっています。
修了した方が、次の仲間を育てる側になっていく
──そんな循環を、少しずつ、年月をかけて育てていきたいと思っています。

■ 「できるかどうか」より、「関わりたい」という気持ちを
このプログラムは、水泳指導の経験者だけに向けたものではありません。
福祉や医療、教育、保育の現場にいる方。
これから勉強していきたい学生の方。
自分の地域に「安心して通えるプール」を広げたいと願う方。
あるいは、ただ「こういう子どもたちに関わってみたい」と感じてくださった方。
大切にしているのは、「できるかどうか」ではなく、「関わりたい」「学びたい」という気持ちです。
最初は戸惑うこともあるかもしれません。
声のかけ方ひとつ、手の添え方ひとつが、最初から分かる人などいません。
でも、そこを一緒に考えてくれる先輩と、毎週きちんと会える子どもたちがいます。
現場に立つなかで、自分のなかにあった「こうあるべき」が少しずつほどけていく
──そんな学びの時間を、私たちはこのプログラムで用意したいと思っています。
■ どの子にも、水の中で笑う時間を
「受け入れてもらえない」という言葉から始まったこの教室が、いつか、「どこの地域でも受け入れてもらえる」に変わっていく未来を、私たちは本気で信じています。
そのためにできることは、派手なことではありません。
目の前の子どもに丁寧に向き合える大人を、一人、また一人と増やしていくこと。
その地道な積み重ねの先にしか、景色は変わらないと思っています。
2026年度からの歩みは、その長い道のりの、ほんの始まりです。
■ ご関心のある方へ
「指導者として学んでみたい」
「まずは話を聞いてみたい」
「ボランティアとして関わってみたい」
そんなふうに、少しでも心が動いた方がいらっしゃったら、指導者・ボランティア専用のLINE窓口から気軽にご連絡ください。
募集の最新情報やちょっとした疑問のご相談まで、こちらから丁寧にお応えします。
▼ 指導者・ボランティア専用LINE

いるかきょうしつ指導者・ボランティア専用LINE
https://lin.ee/QVUnuk2
プールサイドで、お会いできる日を楽しみにしています。
■助成団体紹介

公益財団法人 小林製薬青い鳥財団5年間の継続支援プログラムとして採択いただきました。

公益財団法人 住友生命健康財団2年間継続のアドバンスコース(地域を超えたコミュニティスポーツの展開や、特定の地域におけるコミュニティスポーツの深化をめざすもの)として採択いただきました。
■ 団体概要
団体名:一般社団法人miraii いるかきょうしつ(https://iruka.miraii.org)
代表:高橋 良彰
所在地:愛知県名古屋市
事業内容:障がい児・難病児を含むすべての子どもを対象としたスイミングスクール「いるかきょうしつ」の運営、指導者育成事業ほか
活動地域:愛知県内・オンライン
助成:公益財団法人小林製薬青い鳥財団/公益財団法人住友生命健康財団
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──そんな一本の相談から始まった水泳教室「いるかきょうしつ」(運営:一般社団法人miraii/名古屋市)は、2026年4月より、障がいのある子どもたちに寄り添える水泳指導者を育てる取り組みを、本格的にスタートします。
本事業は、公益財団法人小林製薬青い鳥財団、および公益財団法人住友生命健康財団の助成のもと、複数年にわたって段階的に進めていくものです。

場所を広げることと同じくらい、"関われる人"を増やすこと。
いま私たちが取り組むべきはそこにある、と考えています。
■ 「うちでは受け入れできません」── そう言われた子どもたちがいる
水泳は、体の使い方を覚えるだけでなく、自信や社会性を育ててくれるスポーツだと言われます。
けれど、その入り口にさえ立てない子どもたちが、確かにいます。
重い障がいのある子。
医療的ケアを必要とする子。
じっとしていることが苦手な子。
こだわりが強く、指示がうまく伝わらない子。
診断こそつかないけれど、集団のなかでそっと困っている、いわゆる"グレーゾーン"の子。
そして、いつも家族のケアの傍らで自分の時間を後回しにしがちな、きょうだい児たち。
──そうした子どもたちが、近所のスイミングスクールで「うちでは受け入れできません」と言われてしまうことは、決してめずらしいことではありません。
それでも水に親しみたい、泳げるようになりたい、プールで笑いたい。
そう願う子どもと保護者が、行き場を失っている現実があります。
仮に受け入れられたとしても、接し方が分からないまま、大きな声で叱責されたり、力で抑え込まれたり、ということが起きてしまうこともあります。
指導する側が悪意を持っているわけではありません。
どう関わればよいか、学ぶ機会そのものが、まだ社会に十分に整っていないのです。
そして、私たちが現場に立ち続けるなかで、もう一つ強く感じてきたことがあります。
──本当はもっと伸びるはずだった子どもの力が、周りの大人の理解や環境の不足によって、まだ十分に引き出されていない、ということです。
「この子には難しい」と早いうちに線を引かれてしまえば、その子が本当はどこまで行けたのか、誰にも分からないまま時間が過ぎていきます。
それは、その子にとっても、その家族にとっても、そしてこの社会にとっても、静かで、とても大きな損失だと感じています。
受け入れ先の不足だけではなく、ひとりひとりの子どもが本来持っている可能性を、丁寧に引き出せる大人をどう増やしていくか。
私たちが向き合っているのは、そこまで含めた課題なのだと思っています。

■ たった一人のコーチから始まった教室
いるかきょうしつの原点は、2022年の夏にさかのぼります。
スイミングスクールから受け入れを断られた障がいのある一人の子どもを、一人のコーチが「じゃあ、うちで見ますよ」と引き受けたこと。
最初は本当に、それだけでした。
けれどその話が口コミで広がり、「実はうちの子も…」という相談が少しずつ寄せられるようになりました。
知的障がいのある子、自閉症の子、身体に麻痺のある子、小児慢性特定疾患を抱える子、そのきょうだい児。
気がつけば、個人の善意だけでは抱えきれない人数になっていました。
このまま一人で続けていては、いつか限界が来る。
子どもたちを、途中で放り出すわけにはいかない。
そうして2025年4月、一般社団法人miraiiのもと、「いるかきょうしつ」を正式な事業として立ち上げました。
今では、数十名の子どもたちが、毎週のように通ってくれています。
■ 水の中でだけ、見えてくる景色がある
いるかきょうしつでは、体罰や叱責に頼らない指導を大切にしています。
時間がかかっても、その子がいま何を感じているかを見て、その子のペースで水と出会えるように関わる。
そう続けてきた結果、私たちは、たくさんの"小さな奇跡"に立ち会ってきました。
脳性麻痺で下肢に麻痺のある子が、水中活動を続けるなかで、陸の上でも歩いたり、ジャンプしたりできるようになったこと。
重度の知的障がいと自閉症のある子が、プールを通じて排泄のコントロールができるようになり、泳ぎも少しずつ身につけていったこと。
水を怖がって泣いていた子が、半年後にはバタ足で笑っていたこと。
どれも派手な話ではありません。
でも、その子にとっては、世界が少し変わる出来事です。

そして、隣で見ている保護者にとっても──それは長いあいだ諦めかけていた「できた」という瞬間です。
■ 一つの教室だけでは、支えきれない
続けるなかで、私たちは別のもどかしさにも直面してきました。
「もっと近くに、こういう教室はないんですか」
「遠方から通っているんです」
「きょうだいのケアもあって、毎週は難しくて」
そんな声をいただくたびに、申し訳なさと、焦りのような気持ちが残ります。
いるかきょうしつに通える子は、今も、そしてこれからも、全体から見ればごく一部です。
名古屋以外に住む子どもたちにとっては、そもそも選択肢にもなりません。
本当に必要なのは、いるかきょうしつのような教室をもう一つ作ることだけではなく、"関われる人"が、もっと多くの場所にいることなのではないか。
そのことに、何度もぶつかってきました。
場所だけ増えても、中で関わる人が育っていなければ、以前と同じことが繰り返されてしまう。
だからこそ、時間をかけてでも、子どもの特性に寄り添える指導者を、現場とともに育てていく必要がある。
私たちがこの育成事業に踏み出す理由は、そこにあります。
■ "関われる人"を育てる、これからの取り組み
2026年4月から始まる本事業は、一度きりの研修ではなく、複数年にわたって段階的に続けていく育成プログラムです。
障がいや病気のある子どもたちへの理解、保護者との関わり方、水中での介助、緊急時の対応
──そうした学びを、座学や実技だけでなく、実際のいるかきょうしつの現場に入りながら、時間をかけて積み上げていきます。
経験のある指導者と一緒にプールサイドに立ち、子どもと関わり、その日の出来事を一緒に振り返る。
失敗しても、分からなくても大丈夫。
「最初から上手な人」はいないから、そのことを前提にした学びの場をつくっています。
修了した方が、次の仲間を育てる側になっていく
──そんな循環を、少しずつ、年月をかけて育てていきたいと思っています。

■ 「できるかどうか」より、「関わりたい」という気持ちを
このプログラムは、水泳指導の経験者だけに向けたものではありません。
福祉や医療、教育、保育の現場にいる方。
これから勉強していきたい学生の方。
自分の地域に「安心して通えるプール」を広げたいと願う方。
あるいは、ただ「こういう子どもたちに関わってみたい」と感じてくださった方。
大切にしているのは、「できるかどうか」ではなく、「関わりたい」「学びたい」という気持ちです。
最初は戸惑うこともあるかもしれません。
声のかけ方ひとつ、手の添え方ひとつが、最初から分かる人などいません。
でも、そこを一緒に考えてくれる先輩と、毎週きちんと会える子どもたちがいます。
現場に立つなかで、自分のなかにあった「こうあるべき」が少しずつほどけていく
──そんな学びの時間を、私たちはこのプログラムで用意したいと思っています。
■ どの子にも、水の中で笑う時間を
「受け入れてもらえない」という言葉から始まったこの教室が、いつか、「どこの地域でも受け入れてもらえる」に変わっていく未来を、私たちは本気で信じています。
そのためにできることは、派手なことではありません。
目の前の子どもに丁寧に向き合える大人を、一人、また一人と増やしていくこと。
その地道な積み重ねの先にしか、景色は変わらないと思っています。
2026年度からの歩みは、その長い道のりの、ほんの始まりです。
■ ご関心のある方へ
「指導者として学んでみたい」
「まずは話を聞いてみたい」
「ボランティアとして関わってみたい」
そんなふうに、少しでも心が動いた方がいらっしゃったら、指導者・ボランティア専用のLINE窓口から気軽にご連絡ください。
募集の最新情報やちょっとした疑問のご相談まで、こちらから丁寧にお応えします。
▼ 指導者・ボランティア専用LINE

いるかきょうしつ指導者・ボランティア専用LINE
https://lin.ee/QVUnuk2
プールサイドで、お会いできる日を楽しみにしています。
■助成団体紹介

公益財団法人 小林製薬青い鳥財団5年間の継続支援プログラムとして採択いただきました。

公益財団法人 住友生命健康財団2年間継続のアドバンスコース(地域を超えたコミュニティスポーツの展開や、特定の地域におけるコミュニティスポーツの深化をめざすもの)として採択いただきました。
■ 団体概要
団体名:一般社団法人miraii いるかきょうしつ(https://iruka.miraii.org)
代表:高橋 良彰
所在地:愛知県名古屋市
事業内容:障がい児・難病児を含むすべての子どもを対象としたスイミングスクール「いるかきょうしつ」の運営、指導者育成事業ほか
活動地域:愛知県内・オンライン
助成:公益財団法人小林製薬青い鳥財団/公益財団法人住友生命健康財団
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