渋谷系の重要人物が参戦! 『スクールランブル』の『オンナのコオトコのコ』
『週刊少年マガジン』連載の人気ラブコメ漫画をアニメ化した『スクールランブル』は、作品の名物キャラ、播磨を筆頭に一癖も二癖もある登場人物たちが繰り広げる恋愛劇をシュールでナンセンスなギャグを盛り込みながら描いた人気作。
そんな『スクールランブル』のエンディング曲として使用されていたのが、この『オンナのコオトコのコ』(正確なタイトルは「オンナのコ」と「オトコのコ」の間にハートマークが入ります)。
歌うは、人気アイドルの"ゆうこりん"こと小倉優子さん。そして、作曲は何と渋谷系サウンドの大御所、PIZZICATO FIVEの小西康陽さんが担当という非常に豪華な1曲です。
そのサウンドは、まさに小西康陽さんらしいファッショナブルでスタイリッシュなポップナンバー。小西さんの本領発揮というべきか、小倉優子さんのキャラクターや作品の雰囲気に寄り添いつつも、シッカリとアーティスト性のエッジが効いた楽曲に仕上がっています。
『月詠 ~MOON PAHSE~』の『Neko Mimi Mode』と同じく、flying DOGがアニメ専門のレーベルとなる少し前……2000年代の中盤にオシャレでポップなサウンドとアニメを結び付け、アニメファンに新しい音楽を届けてくれたグレートな楽曲。
小西さんが手掛けたアニメ関連のお仕事というと、安野モヨコさんの『シュガシュガルーン』や『ケロロ軍曹』でのリミックスワークなんてのもありましたが、週刊少年漫画原作のラブコメアニメと小西康陽さんが出会ったインパクトという点で、今回はコチラの楽曲をプッシュさせていただきます。
小西さんのアイドルやアニソン関係のお仕事は"アキバ系"と"渋谷系"、その両者にアプローチ出来る傑作揃いですね。
どうでしょうか? オシャレで可愛くて、スタイリッシュでキュートなアキシブ系ソングの数々。ここで紹介した楽曲の他にも、渋谷系の人脈が生み出したアニソン、声優アイドルソングや、先鋭的な音楽的要素を持った楽曲が沢山ありますので、色々と聴いてみると様々な発見があるかと思います!
考えてみれば、90年代の時点で渋谷系オリジネーターのコーネリアスとカヒミ・カリィによる『ちびまる子ちゃん』主題歌『ハミングがきこえる』なんて名曲もありましたし、渋谷系を作品内でネタにしたギャグ漫画『デトロイト・メタル・シティ』の映画版に何とカジヒデキさんが楽曲を提供したりと、実はアチコチで接点が存在している"アキバ系"と"渋谷系"。
単純に、"オタクなもの"と"オシャレなもの"という二律背反では捉えきれないこのふたつのシーンが組み合わさり、ユニークな作品が生まれるおもしろさ。それこそがアキシブ系の真骨頂であり、最大の魅力だと思います。
アニメを観ていて、思わず男の子ならボーダーシャツを着込んだり、女の子ならベレー帽を被りたくなったりしちゃうような、そんな素敵な「アキシブ系楽曲」がこれからも出てきて欲しいですよね。