萌えフレンチハウスの衝撃!『月詠~MOON PHASE~』の『Neko Mimi Mode』

こちらも福田正夫さんによるお仕事のひとつで『AKSB~これがアキシブ系だ!~』収録曲。『月詠~MOON PHASE~』オープニング主題歌のネコミミネコミミネコミミネコミミ……『Neko Mimi Mode』で~す!

『月詠』は、『魔法少女まどか☆マギカ』の大ヒットで知られる新房昭之監督が、そのアバンギャルドな演出術を用い始めた初期作としてアニメファンに知られているアニメで、いわば『ひだまりスケッチ』や『まどマギ』といった新房監督作の源流のひとつといえるアニメです。そして、劇中の独特な演出と共に、大きな話題になったのが、この『Neko Mimi Mode』。

主演の斎藤千和さんによる「ネコミミ」「KISS」「お兄様」といった萌え萌え美少女ボイスに、スタイリッシュなフレンチハウスが組み合わさったサウンドは、とにかく破壊力抜群!

リリース当時は、美少女ゲーム等の萌え文化における特異な楽曲の数々……所謂"電波ソング"というカテゴリーでアニメファンに受け入れられていましたが、この曲を作ったのはフランスの人気ハウスDJ、Dimitri From Paris。実は、本場のクリエイターが手掛けた本格派のフレンチハウスなんです。

 

元々は、Dimitri From Parisのアルバム『Sacrebleu』収録曲で、日本人女子高生の声をサンプリングした『Love Love Mode』という楽曲のセルフパロディ的なナンバーだったのですが、アニメ声優とフレンチハウスの融合からは本家を超える絶大なインパクトが。何故かリリース当時、渋谷のセンター街でBGMに選曲されていたのも、アキバ系と渋谷系のミクスチャー感に溢れていました。

このスタイリッシュなラウンジ感と可愛らしいアニメっぽさの融合こそ、まさに"アキシブ系"の真骨頂。声優の中島愛さんや坂本真綾さんへの楽曲提供や、アニソンのジャズカヴァーでも知られるラスマス・フェイバーの活躍にも繋がる萌えハウス、オタクラウンジ・ミュージックの傑作です。

 

ちなみに、大の親日家でありアニメオタクとしても知られるDimitri From Parisは、この後も自身のアルバムで元PIZZICATO FIVEの野宮真貴さんをゲストに迎え、アニソンカヴァーを行う等、渋谷系にも目配せしつつ、ハウスとアニメの間をフリーダムに行き来する活動を繰り広げるのでした。