渋谷系のエッセンスが詰まってます!
『たまこまーけっと』の『ドラマチックマーケットライド』
次に、アキシブ系アニソンの名曲として紹介したいのが、『たまこまーけっと』オープニング主題歌の『ドラマチックマーケットライド』。
『たまこまーけっと』は、お餅屋さんの娘である北白川たまこの元に人語を喋るヘンテコな鳥、デラちゃんがやってきたことから巻き起こるひと騒動を、商店街の住人やたまこの同級生たちのドラマを交えながら描いたハートフルなコメディアニメです。
製作は京都アニメーションで、京アニによる端正なアニメーションが見どころなのですが、そんなビジュアル面に負けず劣らず、音楽も非常に聴き応えのある作品となっています。
本作で主題歌や劇伴の作曲を手掛けたのは、後期の渋谷系シーンで、トイピアノの音色と独特なウィスパーボイスが楽しいキッチュなポップソングを送り出したバンド、instant cytronのメンバーである片岡知子さん。更に編曲は、宮川弾さんが担当しており、渋谷系のクリエイターが集結した素敵な1曲に。
オープニングからFlipper's Guitarの名曲『恋とマシンガン』のイントロを思わせる「♪パパパパパパパ~」というコーラスに、ファンキーでキラキラしたメロディーライン、更に、タイトルはPIZZICATO FIVE『マジック・カーペット・ライド』へのオマージュ……といった具合に、渋谷系の魅力が"ギュッ!"と詰め込まれたアニソンです。
この曲は、たまこのキャラソンという形でリリースされており、たまこを演じる洲崎綾さんのちょっと舌っ足らずで、初々しい歌声も如何にも渋谷系といった趣で曲にピッタリとマッチ。
作品内の楽しくて、でも胸にキュンとくる甘酸っぱい雰囲気と渋谷系サウンドのポップなフィーリングとの相性もバッチリで、『たまこまーけっと』のストーリーやたまこのキャラクターに見事にハマった曲だと言えます。
本作の音楽プロデューサーを務めたマニュアル・オブ・エラーズ・アーティスト代表、山口優さんによるエンディング曲『ねぐせ』も4つ打ちのリズムに洲崎綾さんのキュートなヴォーカルが乗るチャーミングな楽曲で、こちらも渋谷系好きには聴いていただきたい1曲です!