――続けてYさん、Tさんにお聞きしますが、『ゼロの執行人』映画自体の感想はいかがでしょうか?

Tさん:わりと社会的というか、子供向けじゃない難しいお話に感じました。検察庁とか警視庁とか頭がこんがらがるようなワードがいっぱい出てきて、初回に見たときは話についていけなくて。それで、内容を確認する意味で何度も見に行ったところもありましたね。

Yさん:私も映画を最初に見たときに「これは初見の人はわからないだろうな」と思いました。なので、自作のプレゼン資料を作って、一緒に行く友人に「事前に見ておいて。詳細は席についてから5分で話す」って渡していましたね。

Tさん:あと、映画の中に罠というか、一度見ただけじゃ見えないし聞こえない…みたいな細工が結構仕掛けられていて、それをちゃんと見たくて通ったというのもありますね。たとえば、最後のほうで、安室透が舌をぺろっと舐めるシーンがあるんですけれど、ほんの一瞬のことなのでまばたきしていると見えない、みたいな。

Yさん:私もその舌ペロは確認したくてすごい見ましたね。あと、一瞬だけ腹チラをして腹筋が見れるシーンもあるんですよ。

Tさん:そういう仕掛けがラストのあたりに詰め込まれてて、もう「動体視力!」「まばたきしたくない!」みたいな感じで凝視していましたね(笑)。

さらに、Twitterで「舌ペロには音が入っている」みたいな話が伝わってきたんですよ。そのせいで、普通だったら映画館て中央とか後ろの席から埋まっていくところが、左後ろとかスピーカーの真下にみんなが席をとっていた回もありましたね。結局私も音らしきものは一度しか確認できなかったんですが。

Yさん:当時、みんな舌ペロの音が聞きたくて、Twitterで「音のいい劇場はここだ」とか「この席をとれ」みたいな情報がいろいろ飛び交いました。

私がフォローしているタイムラインは5月・6月は安室透の情報一色でしたね。普段はみんな違うジャンルのアニメが好きなのに、その時期だけみんな安室のファンになっていろいろな情報がリツイートされて回ってくるみたいな。

『ゼロの執行人』のあのセリフに、“安室の女”たちは…?

――『ゼロの執行人』では、安室透の印象的なセリフとして、「僕の恋人は、この国さ」という言葉がありますよね。“安室の女”としてあれを聞いたときはどう思いましたか?

Yさん:「私も恋人じゃん」って思いました(笑)。

――なるほど(笑)!

Yさん:「あれ? ってことは国民である私も恋人だよね」っていうことだと思って(笑)。あのとき、「日本人でよかった」と人生の中で一番実感しましたね。

Tさん:私も見た後に、東京駅のあたりとか、ちょっと『ゼロの執行人』ぽい雰囲気がある場所を歩いたとき「清く正しい日本国民でいよう」「降谷さんが守ってくれるこの国で生きていこう」みたいに、日本国民という意識が高まりました(笑)。

――安室透が登場した映画はもう1本『純黒の悪夢』があり、こちらは、安室透が因縁のある赤井秀一と本格的な対決をする場面もありますね。こちらはKさんも見ているということで、感想はどうでしょうか?

Kさん:私は、安室透を知って、友人から「だったら見たほうがいいよ」っていわれて『純黒の悪夢』を見て、それが安室透、赤井秀一との初対面だったんです。

対決しているシーンはすごいかっこよかったですね。映画自体も推理というよりアクション映画っぽくていろいろ衝撃もあり、とにかくかっこよさが伝わってきました。

Tさん:私は『純黒の悪夢』を見たときは、まだ安室の女ではなく、どちらかというと赤井秀一を大人の男性として慕っていたんですね。なので、「赤井さん、若造に噛みつかれちゃってかわいそうに」みたいな感じでした(笑)。

Yさん:私は、ライバル関係とか対立がもともと好きなんですよ。容姿も違えば性格も違うみたいな相反する関係にすごく惹かれるんですけれど、安室透と赤井秀一も過去の因縁というか誤解からずっと交わらないまますれ違っているっていうのがすごくいいなと思って、そういうのもあって、あの映画で安室透に落ちました。