撮影/小境勝巳

手越祐也という人が誇るのは、底力ではなく圧倒的な瞬発力だ。ソロデビューしてから2年の間に、フルアルバム2枚とミニアルバム1枚をリリースし、ツアーや多種多彩なイベント出演など数々のステージで歌とパフォーマンスを披露してきた。

その2年間は、自分の立ち位置を作るため地道に計画を練って用意周到に進めてきたというより、いきなりアクセル全開であちこちのフィールドに攻め込んで行ったような、じつにやんちゃかつ秀逸なスタートダッシュだったといえる。

でも、それを実現できるのが、手越祐也なのだ。彼が新たに作り上げた自由な世界へと人々を誘うシングル「SUPER SESSION」への思いと、様々な対バン相手と回る夏のツアーについての意気込みを聞いた。

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間違いなく3年前よりも今の方が幸せだと胸を張って言える

撮影/小境勝巳

──ソロデビューから3年目を迎えようとしています。リリースやライブ、その他イベント参加など精力的に活動を続け、とても濃厚な2年間でしたね。

そうですね。音楽活動に関していうと、目まぐるしいくらいの本数で地方のフェスにも出演させていただいたし、曲数も増えたぶん、たくさん活動してきた気はするんです。でも、僕の中では「まだ2年なんだ!?」という感覚で。

この2年でスタッフや演者も含め、音楽が好きで音楽で生活をしている仲間とかがどんどん増えてきて、まさかここまで状況が充実するとは2年前には想像できなかったし、やりたかった音楽活動ができているのはめちゃくちゃ幸せだなと感じています。おかげさまで毎日を楽しんでます。

──YouTubeで公開していた“歌ってみた”シリーズでも、これまで歌ってこなかったようないろんな歌にトライしていました。普通であれば自分の一番得意なものを確実に伝えるべきタイミングだったと思うんですけど、そうしなかったのはなぜなんですか?

自分自身、歌ってるときが一番幸せだし……ロックとかポップスとかラップとか、ジャンルを一切決めずに15歳からやってきて。それまでの方針を変えたくてひとりになったわけではないし、これまでの音楽性や見せ方にリスペクトはあるから、ライブでも歌って踊って照明や演出にこだわるっていう自分が今まで培ってきたものはより磨いていきたいというのはあるんです。

ただ、そういう中でも、こんな曲やりたい、これをやったら武器になるなっていうものはどんどん取り入れようっていうスタンスなんですよね。もともとロックもポップスも好きだし、アメリカンもブリティッシュも好きだし、全ジャンル食べたいんです。和食もフレンチもイタリアンも食べたい!みたいな(笑)。

撮影/小境勝巳

──なるほど。そうしてきた結果、ちょうど今、すべての方向に対して自分のフィールドができあがった状態なのかもしれませんね。

こうなるのを最初から想像できていたわけではないんですけど…でも、今まで人生、なんとかなってきたんで(笑)。芯をしっかり持ってこだわり抜いたことをやり続けて、周りの人に感謝して大事にしていれば、絶対に大丈夫という確固たる自信があったんですよね。

事務所を辞めた直後は自分が何も持っていなすぎて精神的にきつかったけど、今は間違いなく3年前よりも今の方が幸せだと胸を張って言えるんです。何をどんだけ言われても、まったく平気だしね。本人が幸せなんで。

撮影/小境勝巳

──グループにいた頃から歌唱力に定評がありましたが、今はさらに深みや伸びが増している気がします。でもそれは、喉の筋力や技術的なことというよりも、日々出会う人や経験することによって増したものなんでしょうね。

その通りだと思います。筋力とかキーの問題じゃなく、人生経験が喉に宿るんです。恋愛したことない人のラブソングには限界がある気がするし、応援歌もそうで、人生のいいときも悪いときも経験したからこそ得られる響きってあるんですよね。

それはこの2年間でした経験は今までと濃縮度が違ってたからこそ、歌の表現が変わったんだと思うし。だから一緒にツアーを回ってるバンドメンバーからも、同じことを言われたんです。ボーカリストとして声の厚みもしかり、歌の説得力が増したって。それはすごくうれしかったですね。

それに、実際に歌っていても自分の喉の変化がはっきりわかるんです。 独立してからのライブのセットリストって、3年前の僕には絶対にできないんですよ。それは体力的にもそうだし、喉のレンジ的にもそうだし、表現力的にも、声の厚み的にもそうだし。この2年間でだいぶすべてのパラメーターが上がったんですよね。

今はどれだけ連発でハイキーの曲を並べたセットリストを組んでも難なく歌える。もちろん自分がすごいなと思うボーカリストは世界にたくさんいるんで、僕がトップだなんてまったく思ってないんだけど、3年前の自分と比べると圧倒的に今のほうが上にいる自信があるんです。