現在、日本テレビ系で毎週日曜夜10:30~放送中のドラマ『ネメシス』。
“天才すぎる助手”美神アンナ(広瀬すず)と“ポンコツ探偵”風真尚希(櫻井翔)のコンビが、難事件を解決していくミステリー・エンターテインメント。毎話、アンナと風真をサポートする助っ人が登場し、奥平大兼は5月2日放送の第4話で、ナルシストなAI開発者・姫川烝位(ひめかわじょうい)を演じた。
風真の塾講師時代の教え子という役どころで、櫻井との共演シーンも多く、現場で櫻井が作ってくれた雰囲気を「本当にありがたかった」と振り返る。本作を経て感じたことのほか、デビュー作の映画『MOTHER マザー』で「第44回日本アカデミー賞 新人俳優賞」などの新人賞を受賞した奥平に、今後の俳優業への想いなども聞いた。
櫻井翔と共演!「演技をしているというより、役として生きている」
――姫川烝位(ひめかわじょうい)は、ナルシストなAI開発者というキャラクターですが、率直に演じてみてどうでしたか?
キャラクターの解釈としては、僕自身に近い部分もあったので、すごく難しい、というわけではなかったです。細かい部分は実際に演じながら、監督からのアドバイスもいただいてつくっていきました。
ただセリフが多い上に早口で言わなくてはいけなかったので、その部分では苦労しました。ミスをしてみなさんにご迷惑をおかけしてしまうこともありました(苦笑)。
――入江悠監督からはどんな演出がありましたか?
姫川がパソコンを使う前に癖で決まった指の動きをするんですけど、それは監督からのアイディアでした。あとは、直前にセリフがちょっと変わることもあって。
――入江監督の作品は観たことはありますか?
映画『ギャングース』(2018年)を公開された当時に観ていました。なので、そんな監督が僕のことを選んでくださったというのは、うれしかったです。
――姫川は、櫻井翔さんが演じる風真の塾講師時代の教え子という役どころですが、2人の関係性を演じる上で意識していたことはありますか?
姫川は風真に対して、遠慮がないというか。少しバカにしたような発言もするのですが、そのときに、ちゃんと愛のあるいじり方をすることは意識していました。意地悪をするけど、本気でいじめてやろう、と思ってはいない、というのを見せれるようにしました。
――劇中では風真と姫川の関係性について、詳しく描かれていない部分もありますが、奥平さんはどのように解釈していましたか?
風真の過去については、ドラマの中でも1話でアンナ(広瀬すず)が産まれたときに、その場にいたというのが明かされているだけで、いつごろ、なんで塾講師をしていて、姫川と出会ったのかもわからないので、その辺は深く考えないようにしていました。
ただ姫川にとっては数回会った程度の人ではなく、心を開いているとまでは言えないかもしれないですけど、他の人との会話は無視する姫川が、風真とだけは話すので、それなりの特別感はあるのだろう、と。
現状の姫川を演じるには、その解釈さえできていれば十分だったので、過去の関係性をそこまで考えることはしなかったです。今回はオリジナル脚本ですし、今後、風真について明かされたときに、その辺についてもわかるかもしれないので、そのときに自分が考えていたものと違うということもあると思ったので。
――櫻井さんの共演前と後の印象を教えてください。
お会いする前と後ではそんなに印象は変わらなかったです。テレビで見ていたときのイメージはボケるときもあれば、ツッコミもするというどっちもできるイメージの方だったんですけど、現場でも自分からふざけることもあれば、(千曲鷹弘役の)勝地(涼)さんにはツッコミを入れることもあって。本当に良い方でした。
姫川は風真と一緒にいる時間が一番長かったので、僕が興味はあったんですけど、良く知らなかったヒップホップの話をしていただいたり。僕から頑張って話そうとしなくても、自然と話せる雰囲気をつくってくださってました。
――一緒にお芝居をした感想は?
櫻井さんは、演技をしているというより役として生きているというか、こういう人っているよね、と、思える感じに自然となっているので、すごいな、と思いました。
姫川と風真は年齢も立場も違うのですが、ちょっと対等みたいな関係性で、僕と櫻井さんも全然立場が違うのに、役の関係に近いような、お兄ちゃんみたいな感じでいてくださって。櫻井さんがそういう雰囲気でいてくださらなかったら、僕はガチガチに緊張してしまったと思うので、本当にありがたかったです。