目の前の人の心を動かせたら、観てくださっている方の心も動かせる

撮影:山口真由子

――他の共演者と話す機会はありましたか?

勝地さんと(四万十勇次役の)中村(蒼)さんとは、お二人とも僕の年齢ぐらいにはこの仕事をしていたということで、当時のお話しをしていただいたりもしました。でもお芝居とか、お仕事の話よりもプライベートなお話をさせていただくことの方が多かったですね。

――そういう他愛のない話をしているからこそ、演技のときの切り替えがすごいな、と思うことはなかったですか?

それはホントに思いました。すごいですね。ガラッと変わります。結構、アドリブも多く使われているらしいんですけど、面白いからこそ使われているわけで。当たり前ですけど、俳優として見習うところがたくさんあるな、と思いました。

撮影:山口真由子

――今、現場を一つずつ経験していくなかで、共演者の方から感じていることはありますか?

お芝居をしている相手の俳優さんの心を動かす、ということ。僕がそれをやられた方なので、自分にはできていないことがすごく悔しかったです。目の前の人の心を本当の意味で動かせたら、きっと観てくださっている方の心も動かせると思うんです。普通にしていたらできるようなことではないと思いますけど、いつか僕もできるようになりたいです。

――姫川を演じて、学んだことはありますか?

長いセリフを早く言うための練習の仕方は、今後の参考になるな、と思いました。どういうふうに準備をしておけばいいのか、どういうふうに考えればいいのか、というのは、1回やらないとわからないことだったと思うし、失敗から学ぶこともありました。

あとは大人数の中で演技をする、というのも今回が初めての経験だったので、その中でも物怖じしないというか、限界はありますけど、いい意味で周りのことは気にしないでやるというのは、1回やってみて耐性がつきました。

――以前、初めてのドラマ撮影で、カメラの位置を気にすることを覚えた、というお話をしていましたが、その辺りはどうでしたか?

それこそ大人数だったので、画角的に自分が映っているか、いないかを確認して、映ってなさそうだったら、自分が移動できる範囲内で動いて映るようにする、とかはやってみました。

今回、風真が謎解きをする場面で、僕の前に鏡があったんです。カメラの映し方によって、その鏡に写った僕が、画面に映り込む可能性があったので、毎回、映っているかは確認してました。そこは気にした方がいいことなのかな、と思ったので。

――ちなみに、姫川は今後も登場しますか?

どうですかね(笑)。もしかしたら出てくるかも知れないし、出て来ないかも知れないし。オリジナル脚本で、まだ最終回までの台本を僕が見れていないのでわかりません。僕も出れたらいいな、と思っているのですが、出なかったらごめんなさい(笑)。

――ドラマの見どころを教えてください。

出てくるキャラクターが個性的で、コメディ要素もあって、謎解き要素もあって、物語がしっかりと作り込まれているのが面白いところだと思います。基本的には1話完結ですけど、アンナのお父さんが失踪した謎とか、全話を通しての伏線もありますし、その辺も楽しみにしていてください。

それから、毎話出てくるゲストの方々も豪華ですし、シンプルに笑える場面もあって、ミステリーがちょっと苦手という人も、そっちで楽しめると思うんです。そういうふうにいろんな見方ができる、見どころいっぱいの作品だと思うので、全部を観て、楽しんでください。