現在、毎週金曜深夜0時12分よりテレビ東京系にて放送中のドラマ『シジュウカラ』。
夢を諦めかけていた売れない漫画家の女性と、そのアシスタントとして出会う何か訳ありの雰囲気を漂わせる青年との18歳差の恋を描き、さまざまな反響を巻き起こしている本作。板垣李光人は、山口紗弥加が演じる主人公の忍と恋に落ちる橘千秋を演じている。
偶然、アシスタントをすることになった漫画家の忍が、母親(酒井若菜)の不倫相手(宮崎吐夢)の妻だと気づき、忍の家庭を壊そうとする千秋。だが、忍が自分の人生を救ってくれた漫画の作者だとわかると、忍への想いが変化。徐々に恋心へと変わっていく。そして、その想いを打ち明けたとき、物語は衝撃のラストを迎え、2月18日放送の7話からはそこから5年後の日々が描かれる。
不気味な雰囲気を漂わせつつも、どこかほっとけないような危うさもあり、忍の心を揺り動かす存在の千秋。複雑な心情を抱えるだけに、板垣も演じるのは難しかったと明かす。
これまでさまざまな個性的なキャラクターを演じてきた板垣が、どのように本作と向き合ったのか。気になる今後の展開でのエピソードも交えつつ、現在の想いを語ってくれた。
小ネタに気づいてもらえて嬉しい
――現在、ドラマが絶賛放送中ですが、反響はどのように受け止めていますか?
今、放送されているのは22歳の千秋なのですが、彼は子どもっぽいというか、大人になりきれていないところがあって。それを表現するためにわざと靴のかかとを踏んでみるとか、子どもっぽい食べ方をしてたりするんです。
撮影初日に大九監督と千秋をどういうふうに捉えているか、という話をして仕込んだ小ネタだったんですけど、そこを視聴者の方にも気づいていただけたのは嬉しかったです。
あとは宮崎吐夢さん演じる洋平が、現場で一緒に芝居をさせていただいてるときからナチュラルにイラっとするな、と思っていたんですけど(笑)、それを改めて画面を通して観てみるとさらにインパクトが大きくなっていました。
――想像していたものとは違った感想はありましたか?
わりと思っていた通りです。最初、大九監督が捉えている千秋像が、僕が思っていたよりもサイコで、「ここまでやるんだ」と思っていたんですけど、今のところ思惑通りに皆さんに届いているのかな、と思っています。
――千秋を演じる上で難しかったところはありますか?
最初、千秋は洋平が自分の母親の不倫相手だったと気づいて、憎悪の感情から忍(山口紗弥加)との関係性を深めていこうとするんですけど、その想いが恋心に変わっていくところはやはり難しかったです。
そういう感情ってすごく紙一重なものなんだな、とも思いました。僕が千秋のことを子どもっぽいと感じる理由の一つでもあるのですが、千秋の忍への想いはシンプルな恋心ではなくて、それまでのいろんな感情も重ねていると思っていて。複雑な想いなので、その織り交ぜ方は難しかったな、と思います。
――千秋が忍に惹かれるのは、その生い立ちも含めたものがあると。
僕はそうじゃないかな、と解釈しました。
――千秋と忍は18歳差ですが、年上の女性との恋愛については考えましたか?
僕は恋愛において年齢はあまり気にしないというか、好きになった人がタイプだと思っているんですけど、千秋の忍に対しての気持ちは単なる恋心ではないですし、すごく特殊な状況でもあるので、実際はどんな感じなんだろう?とは思いますね。