世間を騒がせた贋作事件

2.フェイク ― 偽文書、偽造の世界

偽酒・似印酒や、贋作事件、研究者まで騙されたニセモノを紹介。偽酒は本物と同じ菰(こも。樽にかぶせるもの)を使い、わざと何度か転がして汚れを再現したという。また、『本物に近づけるための秘伝のレシピ』まであったが、身体にとっては有害なものも含まれており江戸っ子は“毒酒”と呼んでいたらしい。ただし、ニセモノは買う人がいるから生まれるものでもある。

 

専門家をも欺いた遺跡のねつ造事件についても紹介

徳川家康から賜ったとされる偽文書は、朱印が逆さまに押されている。かなり苦心して作ったものだろうに、最後の最後で残念な結果……。これらは混乱の時代を生き抜き、自分たちの権利を主張するためのものだ。いつの時代も様々な理由でニセモノは必要とされてきた。

また、 ニセモノだけでなく貴重なホンモノの展示もある。新発見された「織田信長黒印状」は初公開だ。信長ほどの有名人になると、書簡などもニセモノが多いらしいがこれはホンモノとのこと。書いてある内容も、東大寺が戦乱時の被害を受けないように保護したというもので、非常に興味深い。
 

3.コピー、イミテーションの世界

縄文人だってオシャレしたい

貝で出来たブレスレットをかたどった土製の腕輪。イミテーションダイヤや、フェイクファーを身に着ける現代人のように、縄文人も今の私達とあまり変わらない感覚を持っていたのだな、と思うと急に親しみが湧いてくる。

ホンモノに近づけようと涙ぐましい努力を重ねた結果生まれた黒釉の「天目茶碗」など、模倣によって新たな技法が生み出されることもある。
 

4.ニセモノの創造性

お祝い事や、お葬式の時に使われる花輪。元々は生花を使っていたが、時代と共に大きさが変わり、造花でも作られるようになったそう。海外のリースに由来するものだが、地域や風習に合わせて変化していった。

 

博物館で大量の花輪を見るとは思わなかった
 

タオルで出来たものや、缶詰などが入ったものも。これらもニセモノだが、祝い・悲しむ気持ちを精一杯表す方法のひとつであることに変わりはない。最近ではまた生花で作られるケースも増えているそうだ。時代によってホンモノを使うのか、ニセモノを使うのかも変わってくる。