【仮面夫婦になるきっかけ 4】「趣味を馬鹿にされて」
「子どもを産むまで、ジムで体を動かすのが好きでした。健康管理にも役立つし、私にとっては大切な趣味です。
が、出産後ジムに復帰すると夫の嫌味が始まりました。
以前は普通に行かせてくれていたのに、今は『またか』と嫌な顔。もちろん家事も子どもの世話も済ませて、夫に負担をかけないようにしているのに、それでも何が不満なのか、ジムに行く準備をしているだけで不機嫌になります。
周囲からは『子供を見てくれるんだから旦那さんに感謝しなくちゃ』ばかり言われ、こっちも仕事しながら家事も育児もしているのに、何でここまで言われるのかと思うとストレスばかり溜まりましたね。
ある日、ジムに行こうとする私を見て、夫が子どもに向かって『ママは俺たちを置いて遊びに行くんだって』と言いました。その一言が我慢の限界で、『遊びって言わないで!』とブチ切れ。
それ以来、夫と口をきくのも嫌になり、会話が減り不仲になりました。
今はやることやったらさっさとジムに行っている状況です。
離婚ですか? 夫からしたいと言われたら別れますけど、子どもがいるので私から切り出すことはないですね」(41歳/デザイナー)
妻の息抜きを許さない夫。家事も育児もちゃんとやっているのに、何がそんなに気に入らないのだろうと思いますよね。
上記の女性は、「子どもにまで私の悪口を言うのが許せない」と言っていましたが、こんな夫では大切にしようという気持ちも失せるもの。夫が自分で壊した絆は、自分から歩み寄らないと修復はないでしょう。
【仮面夫婦になるきっかけ 5】「体型の変化が気持ち悪くなって」
「結婚前は、スリムでスタイルの良かった夫。でも、結婚後はどんどん太ってしまい、30代後半になった今では立派なビール腹……。
健康診断でもメタボで引っかかるし、「痩せたほうがいいよ」と言っても聞きません。周りの人からは『旦那さん、ヤバくない?』と笑われて恥ずかしいし、子どももかわいそうです。
外食に行くといつもご飯大盛りでひとりだけ大量に注文する夫の姿が気持ち悪く、あまり外では食べなくなりました。
今は大きなお腹を揺らして歩く姿が生理的に受け付けなくなり、寝室も別です。体型というより、夫のだらしなさがイヤなのかも。
離婚……までは考えないですね。私の収入じゃ子どもと生きていけないので。苦痛ですが、なるべく見ないようにしながら暮らしています」(35歳/販売)
「旦那さんが痩せたらまた好きになるの?」とこちらの女性に訊いてみると、「わからない」という答えが返ってきました。
一度覚えてしまった嫌悪感は、たとえ相手の努力が見えても簡単には忘れられません。身近にいる人ならなおのこと、ネガティブな感情が続いてしまいます。本人が言うように、本当に嫌だと思うのは体型ではなくそんな自分を許す夫のだらしなさ。
「見ないようにしながら暮らす」って、相当気を使う生活だろうなと思います。
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夫に愛情がなくなったきっかけを聞いてみると、多くのケースは「自分をないがしろにされた」ことが原因になっています。
結婚すると、油断しがちなのがパートナーを尊重する姿勢。家族とはいえ、お互いにひとりの人間として大切にされなければ愛情も薄れていきます。
彼女たちが諦めたのは、夫への愛情と幸せな結婚生活。
それを続けることにどんな意味があるのか、現実を考えないといけないときが来るのかもしれません。