ドラマ『残念な夫』から学ぶ“産後クライシス”に対する夫の気持ち

こんな社会情勢を表したかのようなドラマ『残念な夫(フジテレビ)』の主人公、榛野陽一(玉木宏)が産後クライシスの解決策の提案をしてくれているように筆者は思いますので、ここであらすじを紹介しましょう。

理想の夫と自負する仕事も家庭も絶好調の主人公が織りなす残念な夫ブリを、コミカルに描いたドラマです。ほぼ1話完結で、妻と喧嘩をしつつ、そして周囲の助けを得ながらも、夫婦で産後クライシスの種を1つずつ解決していきます。

しかし最終回に近づくにつれてそ、陽一の残念さには拍車がかかり、また陽一の適当さや人の良さから招いてしまった不運な偶然が重なり、誤解から誤解を生み、最終的に知里(妻:倉科カナ)の堪忍袋の緒が切れてしまいます。そして知里が華ちゃん(娘)を連れて家を出てしまいます。

そして、ついに離婚調停にまで発展し、陽一は、知里に許してもらうために誤解を解くことにやっきになります。しかし、それはきっかけに過ぎず、知里が離婚を決意した本当の理由は、もはや陽一から自分や華ちゃんへの愛情が感じられなくなったというどうにもならないことでした。

そのことを陽一は調停の場で初めて知ります。陽一は深く反省し、知里が望むとおりに離婚を決意します。しかし、しばらくしてお互いの存在の大切さに気付き、また相手を思う気持ちから思いやりが足りなかったことにも気づきます。そして2人はやり直し、ドラマはハッピーエンドで終わります。

産後クライシスは、お互いの理解の不十分さが産むのかもしれません。陽一は、知里が離婚に踏み切れない間に、遅まきながら知里の立場になって考えることができたからやり直しができました。つまり、夫が自分の気持ちを理解してくれたら妻はそれで良いのかもしれません。もちろん、お手伝いをしてほしいものですが。

しかし現実では、迷っている間は調停の申し立てなんてしませんので、調停で協議が整ったら即離婚のケースがほとんどです。調停を申し立てた時点で、女性には覚悟ができているのです。現実の世界では、妻が家を出るようなことが起こる前に、夫には気づいてほしいものです。