本ツアーのロゴは雪の結晶がモチーフとなっていた。春先のライブなのに? と不思議に思っていたけれど、ライブを観て合点がいった。このライブはまさに、10年の努力の「結晶」だった。つねにベストを尽くすステージへの真摯な姿勢と、バンド、ダンサー、スタッフ、ファン、そして互いへの信頼、すべてのものへの感謝の心。東方神起の強さと、人々を引き付けて止まない魅力のすべてがカタチとなってつまっていたと思う。

完全に会場を掌握し、ドームという広い空間さえも狭いと感じさせる迫力満点のパフォーマンス。フロントに立つユンホとチャンミンのパフォーマンスはもちろんだけど、バンド、ダンサー、照明から舞台演出その他、関わるすべてのスタッフ、そして、ファン、すべてがともに(WITHだね!)、この壮大なステージ(とスバラシイ瞬間)を作り上げる主人公のひとりだった。どれひとつ欠けてもきっと成立しない、抜群のチームワーク。そこから生まれるのが、ふたりのいう温かさに満ち溢れたライブ。「みんな、東方神起が本当に大好き」。それがよく伝わってきた。つねに進化し続ける東方神起のこれまでの集大成であり、現時点での“到達点”といえる、ベストライブだったことは間違いない。

10年間走りつづけた東方神起。決して平たんな道のりではなかったけれど、いつもふたりは全力でその道を歩みながら、期待以上のものをくれた。これまでに見たことのない景色・光景を見せてくれた。その美しさを表現する言葉がどうにも見つからない。過ごしたすべての瞬間が眩しくて、愛おしいような……かけがえのないもの。いつだって、ワクワクさせられたし、笑わされ感動させられ、圧倒させられた。それと同時に、ふたりと、ふたりを取り囲むすべてに温もりと安心感を感じて、うらやましいと思った。人生の中で、こんなにも多くの信頼と愛情を寄せられることはないのだから。でも、彼らが愛される理由はよくわかる。

東方神起を見ると、いつも思い出す言葉がある。ある超大物アーティストが日産スタジアムで発した言葉だ。
「速くたってゆっくりだって、とにかく走り続ければ、辿り着ける場所があるということを教えてくれたのはみんな(ファン)なんだよ」。
この名言を少々拝借したい。まだ若いふたりも見せてくれた。身をもって示し、教えてくれた。周囲からどんな雑音が聞こえてきても、ブレない強い信念をもち、自分を、互いを信じて走り続ければ、いつか辿り着ける場所、そして築ける深い絆がある、ということを。

特別な場所、東京ドームは、苦楽をともにした仲間たちの信頼と、東方神起への愛情に溢れた温もりで、すべての人がひとつに繋がった幸福に溢れた空間であり、「結晶」だった。本当に素晴らしかった。

「必ずここでまた会おう」「必ずまた戻ってきます」――。交わした約束は、未来へのうれしいプレゼント。この特別な場所で目にした、共有した輝く瞬間を、ユンホとチャンミンの言葉を胸に、またこの“ホーム”で再会し、「ただいま」と「おかえり」の言葉を交わすときまで、笑顔でしっかり前を向いて進もうじゃないか! 大丈夫、ずっと繋がってるよ!!

 

「東方神起 LIVE TOUR 2015 ~WITH~」ファイナル セットリスト
4月2日@東京ドーム ↓()内は収録音盤。SG=シングル、AL=アルバム
1. Refuse to lose (2014年 AL『WITH』)
2. Spinning (2014年 AL『WITH』)
3. Why? [Keep your head down] (2011年 SG/AL『TONE』)
4. Choosey Lover (2007年 SG/AL『Five in the Black』)
5. Baby, don't cry (2014年 AL『WITH』)
6. Believe In U (2014年 AL『WITH』)
7. No? (2008年 AL『T』)
8. Answer (2014年 AL『WITH』)
9. DIRT (2014年 AL『WITH』)
10. Survivor (2009年 SG/AL『The Secret Code』)
11. Time Works Wonders (2014年 SG/AL『WITH』)
12. Special One (2014年 AL『WITH』)
13. Before U go (パッケージ未発売 ※韓国語Ver.は2011年 韓国AL『Keep Your Head Down(リパッケージ版)』)
14. Calling (2014年 AL『WITH』)
15. Duet (2011年 AL『TONE』)~どうして君を好きになってしまったんだろう? (2008年 SG/AL『The Secret Code』)
16. Chandelier (2014年 AL『WITH』)
17. Humanoids (2013年 AL『TIME』)
18. Break up the Shell (2006年 AL『Heart, Mind and Soul』)~ High time (2006年 SGカップリング/2007年 AL『Five in the Black』)
19. I just can't quit myself (2014年 AL『WITH』)
20. Love in the Ice (2008年 AL『T』)
映像内(バンドメンバー、ダンサー紹介)
 Catch Me - If you wanna - (2013年 SG/AL『TIME』)
 SURI SURI [Spellbound] (2014年 AL『WITH』)
 Disvelocity (2013年 SGカップリング)
 One More Thing (2012年 SGカップリング/2013年 AL『TIME』)
 Sweat (2014年 SG/AL『WITH』)
 呪文 - MIROTIC - (2008年 SG/2009年 AL『The Secret Code』)
21. MAXIMUM (2011年 SGカップリング/AL『TONE』)
22. Rising Sun (2006年 SG/AL『Heart, Mind and Soul』)
<アンコール>
23. B.U.T (BE-AU-TY) (2011年 SG/AL『TONE』)
24. サクラミチ (2015年 SG)
25. With Love (2014年 AL『WITH』)
<ダブルアンコール>
26. ウィーアー! (2009年 SG/AL『The Secret Code』)~ Somebody To Love (2005年 SG/2006年 AL『Heart, Mind and Soul』/2011年 AL『TONE』(-2011 Version- ))
<トリプルアンコール>
27. 時ヲ止メテ (2010年 SG)

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