台北駅の隣の新光三越ビル(左)の近くで天をつく建設中のビル(右)。重慶南路から見るとまるでツインタワーのよう

桃園空港から台北駅へ向かうとき、いちばん便利な移動手段は機場MRTという紫色の電車だ。空港の地下から特急に乗れば、わずか35分で台北駅に到着する。

台北駅はとても広い。高鉄(新幹線)や在来線はもちろん、台北市内を走る地下鉄や空港と市内をつなぐ機場MRTなど、さまざまな路線が乗り入れている上、長距離バスターミナル(京站)や地下シッピング街も隣接していて、なかなか複雑だ。

機場MRTはそんな雑多な台北駅の北側に到着する。電車を降り、賑やかな地下道を横切って地上に上がると、すぐに商店街が広がっている。

空港からのアクセスが抜群によいこのエリアでは、外国人向けのドミトリーや小さなホテルが次々とオープンし、かなりの賑わいを見せている。

今回はそんなエリアの穴場スポットを紹介しよう。

フォトギャラリー台北駅北側、穴場スポットを写真でじっくり見る
  • 『罐子茶館』には趣向を凝らした烏龍茶や緑茶のコレクションがある。帰国後にゆっくり味わい、旅を思い返すのもいい
  • 『康青龍』のグリーンミルクティーにタロイモとサツマイモのタピオカをプラス。ほんのり上品な甘さ
  • 味のしみた中華おこわ+魯肉飯風の肉という最強の組み合わせは、『老圓環食品』で。これで45元
  • 台湾の現代アートの次世代リーダーの作品が観られる『台北当代芸術館』は入場無料
  • 朝7時からぶつ切りの大きなモツを朝から堪能できる『老圓環食品』。臭みはまったくない

中華おこわで朝ごはん

味のしみた中華おこわ+魯肉飯風の肉という最強の組み合わせは、『老圓環食品』で。これで45元

台北で目覚めたら、朝の散歩に出かけよう。1日の最初の食事をたいせつにする台湾では、朝ごはんをメインに営業する店が少なくない。

台北裏駅界隈で早めに店を開けるのは、長安西路と長安西路220巷との交差点にある『老圓環食品』だ。売りは「油飯(ヨウファン)」と呼ばれる中華おこわ。

醤油でうっすら味付けされた、ほどよい硬さのおこわに、魯肉飯にかかっているような豚肉のそぼろと煮汁をたっぷりのせる。おこわはそれほど味が濃くないので朝ごはんにも適している。

この店のもうひとつの看板メニューは豚モツスープ。こちらも朝にぴったりのあっさりした塩味だが、臭みはなく、プリプリの食感を楽しめる。

うれしいことにスープはおかわり自由。屋台だが、清潔感があるので台湾初心者でも安心だ。

大通りに面しているので見つけやすい『老圓環食品』。昼時は混雑するのでお早めに

老圓環食品(ラオユエンホァンンシーピン)
台北市長安西路216-1號
TEL:02-2555-0842 7:00~15:00 月曜定休

散歩がてら国父史蹟館へ

台北裏駅にひっそりと佇む『国父史蹟館』。無料で参観できるので散歩がてら気軽に立ち寄れる

台北裏駅に、台湾人にすらあまり知られていない癒やしの公園がある。

台北駅北側の西の端、大きなビルが立ち並ぶ中山北路と市民大道が交わるところにある緑の一角。ここは入場無料なので朝の散歩にぴったりだ。

バイクと車の喧騒のなかにあるこの公園には、大きな古い日本家屋が建っている。日本時代の1900年に建てられた「梅屋敷」という旅館が、再建や移転を経て現在の姿になった。

国父(孫文)史蹟館という名前がついたのは、1913年に孫文が台湾を訪れた際に宿泊したのが、梅屋敷だったため。優雅な中華風の公園を抜けて日本屋敷の玄関に立つと、ちょっと不思議な気分になる。

靴を脱ぎ、畳の部屋に足を踏み入れる。壁もふすまもしっかりとした木造建築といった雰囲気。日本でもこんなに立派な家屋にはめったにお目にかかれない。日本時代の台湾に思いを馳せることができる貴重な場所だ。

『国父史蹟館』のしっかりした作りのふすまや畳に心癒される

国父史蹟館(グォフーシージーグァン)
台北市中山路一段46号(逸仙公園内)
TEL:02-23813359 9:00~12:00/13:00~17:00 月曜定休