骨の健康、勝負は20代から始まっている

最近では、仕事中に重いショルダーバッグを肩にかけて歩いていたら、知らないうちに骨が折れていた、という20代の若い女性もいたそうだ。

「骨粗しょう症が増えている原因として、まず『骨がレッドゾーンになる年齢が若年化している』こと。それから長寿になり、『長生きはできるけど骨を維持できない人が増えている』ことが挙げられます。

骨粗しょう症になってしまったら、もはや『レッドゾーン』に入った、ということになりますが、実はそこに至るまでの骨をもっとも維持できる時期、20歳から40歳くらいまでの間に、すでに勝負は始まっているんです」

女性は妊娠・授乳期にはカルシウムを大量に消費するため、出産後、一時的に骨密度が低下するという。

「出産すると一時的に骨が弱くなります。それは女性ホルモンの変化(産後、急激に減少する)によるもので、通常はすぐにリカバリできるのですが、その時期にきちんとした食事を摂らないと、元に戻らなくなってしまいます。

骨を強くする食生活とは

では、骨によい食事とは、どのようなものなのだろう?

「食事の全体のバランスが非常に大事です。和食はどちらかというと、いろんなものが万遍なく摂れるのでバランスがいい。それに乳製品を足すのが一番いいですね」

牛乳や乳製品をしっかり摂るようにする。それから、魚や野菜、果物(タンパク質、ビタミン、ミネラル)を食べるかどうかでも、骨量に大きな違いが出てくるという。

「骨に必要な成分には、大きく分けて2つあります。まず、骨の原材料あるいは原材料の利用性を高めるのがカルシウム・マグネシウム・タンパク質・ビタミンC・ビタミンKなど。そして骨の細胞に働きかけて骨をつくるのを促進するのが「MBP」という成分です。「MBP」は『骨をつくる働き』と『骨を壊す働き』、どちらか一方に強く働くのではなく、両方にバランスよく働きます」

「MBP」は、ミルクに含まれるタンパク質の集まりで、食品では牛乳やヨーグルトなどの乳製品に唯一含まれており、骨を強くする働きをもつのが大きな特長。骨の細胞を活性化するためには、通常は「運動する」のがもっとも効果的だが、それと同じ機能を食品から補えるのが「MBP」で、しっかりと丈夫な骨を作るのに役立つそうだ。

「『MBP』と似た働きをするものにイソフラボンなどがありますが、『骨をつくる働き』と『骨を壊す働き』両方の働きを持った成分は他にはありません」